ジープにも燃費を求めていいんですか!? 最新ハイブリッド試乗「レネゲード e-ハイブリッド」

ジープにも燃費を求めていいんですか!? 最新ハイブリッド試乗「レネゲード e-ハイブリッド」

2025年12月16日

独自の伝統的なスタイルが変わらない人気を呼んでいる、ジープブランドのクルマたち。そのなかでも長年エントリーモデルとしてブランド内2位の販売台数を誇る「レネゲード」に、また新たなハイブリッドモデルが登場しました。今回は、最新マイルドハイブリッドを搭載した「レネゲード e-ハイブリッド」の試乗インプレッションと、燃費性能についてお届けします。

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◆主張が控えめな人気車のMHEV

レネゲードといえば、“ミニ ラングラー”とも称するべき伝統のジープスタイルが魅力なコンパクトSUV。その小柄なボディサイズは取り回し性もよく、日本市場で大人気を博しています。そんなレネゲードには、以前よりガソリン車とプラグインハイブリッド車(PHEV)の2通りのパワートレインが用意されていました。特に電動車のPHEVは、ジープの他車同様「4xe(フォーバイイー)」というグレード名での展開で、登場時には大きな話題となりました。

そして、2025年の7月にはブランド初のマイルドハイブリッド車(MHEV)が新たに登場。これまでのパワートレインとは違う1.5L DOHCターボ+モーターのシステムは、同じグループ内の「アルファ ロメオ トナーレ」と共通のものであり、レネゲードには“e-ハイブリッド”のグレード名が与えられました。これに伴い、ガソリンエンジン車とPHEVはラインナップ落ちし、モノグレード展開となっています。

おもしろいのは、このe-ハイブリッドを主張するアイコンやエンブレムが、外観では一切表示されていないということ。こんなにも主張が控えめな電動車は初めてかもしれません。スクエアなボディ造形はそのままに、外観ではミラーとドアハンドルがブラック化。フロントの7スロットグリルも、最新のラングラーに似たようなグロスブラックへと変わっています。

◆特筆モノの高速燃費!

そんなMHEVのレネゲードですが、燃料代の高騰が話題となっている昨今ではやはり燃費性能が気になる人も多いのではないでしょうか。カタログ上では、WLTCモード燃費17.7km/L。従来のガソリン車から約20%アップと謳っています。さて、実測はどうだったのでしょう。

今回も、一般道と高速道の両方で計測していますが、特に高速道路の燃費が優れていたことは特筆すべきでしょう。計測ステージは、毎度お馴染みになってきた東名・新東名を利用したコース「東名川崎~新秦野」の往復約100km。スピードは周りの大型車に合わせた90km/hに設定しました。その結果、上り坂の多い往路では21.9km/L、下り坂の多い復路では25.2km/Lをマーク。往復の総合では23.2km/Lと、高速道路モードのカタログ数値(18.8km/L)を大幅に上まわる結果となりました。

これには、新しいマイルドハイブリッドシステムの恩恵が影響しています。レネゲードMHEVのシステムは、ベルト駆動式スタータージェネレーター(BSG)だけでなく、7速DCTのトランスミッション内にもより出力の高い駆動モーターを内蔵する仕組み。一般的なBSGのみのMHEVと違い、モーターのアシストが強いことが特徴です。加えて、新開発の1.5Lターボエンジンの高効率さも相まったのでしょう。積極的に入るコースティング機能が、思わぬ好燃費に大きく影響しています。

一方で、一般道では高速道路ほど大きく伸びませんでした。まったく燃費を気にせずに普通に50kmほど走った結果は、9.8km/L。これには、日本特有の速度帯の低さや、後述するシステムに不慣れだった点が大きく関わってきています。高速道路と合わせて170kmあまり走った総合燃費は、15.5km/Lという結果になりました。

◆ソフト面も最新版にアップデート

試乗して少し慣れが必要だなと感じたのは、ハイブリッド特有のシステム動作状況です。公式では25km/h未満の低速時はモーター走行できるとアナウンスされているほど、電動領域の多いMHEV。しかし、実際には20km/h前後でエンジンがかかる頻度が高かったように感じました。

モーター駆動やコースティングに入るタイミングが少しわかりづらく、アクセル開閉だけではないほかの条件もあるのではないかと思いました。このあたりは、実際にユーザーが慣れていく部分でもありますので、特別問題視することはないでしょう。慣れてしまえば、先述の一般道燃費はもっと伸びるはずです。

乗り心地の印象については、いい意味でも悪い意味でもこれまでのレネゲード通り。少し硬めに引き締められた足まわりのセットによって、意外に機敏なハンドリングが楽しめます。ワインディングでは、そのコンパクトなボディも相まって気持ちのいいハンドリングが味わえるでしょう。

ボクシーなスタイリングからは想像できないほど、高速走行時の風切り音が少ないことも大きな特徴です。車内での会話や音楽が快適に楽しめ、ACC(アダプティブクルーズコントロール)も完備。ワインディングだけでなく、長距離移動も得意な1台だといえます。

MHEV追加による仕様変更で一番目につくのは、インテリアのディスプレイかもしれません。最新のインフォテインメントシステム「Uconnect 5」を搭載したシステムは、10.1インチのセンターディスプレイがフローティングマウントされダッシュボード中央に鎮座。Apple Carplayなどのスマートフォンとの連携機能もスムーズに行え、大型のディスプレイが見やすく、使いやすさがさらに向上しています。

◆趣味性の高い低燃費モデル

モデル末期に、まさに本命とも呼べるモデルが登場したレネゲード。その唯一無二のスタイリングに、現代的な燃費性能が加わりました。実用性一辺倒ではない、“趣味性の高い一台”を求めるドライバーにとって、このレネゲード eハイブリッドは唯一無二の選択肢となるでしょう。

現在ではリセールも高い水準で推移している現行レネゲードですが、いつまで新車が販売されるかは正直わかりません。いつの間にか買えなくなってた……、と嘆かないよう購入は早めに決めましょう。

<文&写真=青山朋弘>


■ジープ レネゲード アルティチュード e-ハイブリッド(FF・7速DCT) 

主要諸元

【寸法・重量】
全長:4255㎜
全幅:1805㎜
全高:1695㎜
ホイールベース:2570㎜
トレッド:前1550/後1555㎜
車両重量:1470㎏
乗車定員:5人

【エンジン・モーター・性能】
エンジン型式:46347813
種類:直4DOHCターボ
総排気量:1468cc
ボア×ストローク:71.2×92.2㎜
最高出力:96kW(131ps)/5250rpm
最大トルク:240Nm(24.5㎏m)/1500rpm
使用燃料・タンク容量:プレミアム・48ℓ
モーター型式:46350540
種類:交流同期電動機
最高出力:15kW(20ps)/6000rpm
最大トルク:55Nm(5.6㎏m)/2000rpm
駆動用バッテリー種類:リチウムイオン
WLTCモード燃費:17.7㎞/ℓ
最小回転半径:5.5m

【諸装置】
サスペンション:前後ストラット
ブレーキ:前Vディスク/後ディスク
タイヤ:前後215/60R17

【価格】
544万円(消費税率10%込み)


この記事を書いた人

青山朋弘

【監修者】青山朋弘

フリーランスライター兼編集者

新車専門誌、中古車専門誌、モータースポーツ誌などの編集部を経て、現在はフリーランスの編集&ライター。
自動車専門誌やWebサイトに寄稿しながら、YouTube動画の撮影・編集も行う。
愛車は10年前に走行5万kmで見つけた、NA型ロードスターの初期型。
趣味のMTBをどうやって積むのがいいか、常に試行錯誤している。

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