軽自動車の年間維持費はいくら?費用の内訳を徹底解説

軽自動車の年間維持費の総額は、乗り方や駐車場の有無によって大きく変わりますが、平均的な目安としては年間30万円から40万円程度、月平均に換算すると2.5万円から3.5万円ほどです。この金額には、毎年の支払いが必要な税金や保険料のほか、2年ごとの車検費用を月々で割った計算も含まれています。
これから各項目の内訳をシミュレーションしながら、月1万といった低コストでの維持が可能か、具体的な相場を解説していきます。
軽自動車にかかる税金【軽自動車税・自動車重量税】

軽自動車にかかる税金には、毎年4月1日時点の所有者に課される軽自動車税(種別割)と、車検時に納める自動車重量税があります。
自家用乗用軽自動車(5ナンバー)の軽自動車税は年額10,800円ですが、商用の4ナンバー車は年額5,000円と安くなります。
一方、自動車重量税は、新車購入時の初回車検ではエコカー減税が適用されることが多いですが、2回目以降の車検では通常6,600円(2年分)が必要です。
ただし、後述しますがどちらの税金も新車登録から13年が経過すると税額が上がる重課措置が適用されるため、古い車両を所有している場合は注意が求められます。
万が一に備える保険料【自賠責保険・任意保険】
自動車を所有する際には、万が一の事故に備えるための保険加入が不可欠です。
保険には、法律で加入が義務付けられている「自賠責保険(強制保険)」と、任意で加入する「任意保険」の2種類があります。
自賠責保険の保険料は、2023年4月の改定により24ヶ月契約で17,540円となり、主に車検時に支払います。
一方、任意保険は自賠責保険ではカバーしきれない対物賠償や自身のケガ、車両の損害などを補償するものです。
保険料は運転者の年齢や等級、補償内容によって大きく変動し、一般的な内容であれば年間数万円程度が目安となります。
安全走行に不可欠な車検・メンテナンス費用
軽自動車の車検は、新車登録から3年後、それ以降は2年ごとに受ける必要があります。
車検にかかる費用は、法定費用(自動車重量税、自賠責保険料、印紙代)と、点検・整備費用や部品交換代を合わせた金額です。
法定費用はどこで受けても一律ですが、点検費用は依頼する業者によって数万円の差が出ます。
長く安全に乗り続けるためには、車検だけでなく1年ごとの定期点検や、オイル交換などの日々のメンテナンスも重要です。
5年、7年と乗り続けるうちに消耗品の交換費用が増加するため、計画的な費用管理が求められます。
走行距離で変わる燃料費【ガソリン代】
燃料費、すなわちガソリン代は、車の使用頻度によって大きく変動する維持費の代表格です。
ガソリン代は「走行距離÷燃費×ガソリン単価」で計算できます。
例えば、燃費が20km/Lの軽自動車で年間10,000km走行し、ガソリン単価が170円/Lの場合、年間のガソリン代は85,000円になります。
特に毎日の通勤で車を利用する場合、走行距離が伸びてガソリン代の負担も大きくなる傾向があります。
自身のライフスタイルに合わせて、年間の走行距離を予測し、おおよその燃料費を把握しておくことが大切です。
駐車場代や高速料金などその他の費用
自動車の維持には、税金や燃料費以外にも様々な費用が発生します。特に自宅に駐車スペースがない場合は、月極駐車場を契約する必要があり、都心部では月々数万円の出費になることもあります。また、高速道路を利用する際の料金も維持費の一部と考えられますが、軽自動車は普通車よりも料金が安く設定されています。
新車を購入する場合だけでなく、カーリースやレンタカーを利用する選択肢もあり、これらのサービスは駐車場代やメンテナンス費用が含まれているプランも存在するため、トータルコストを比較検討することが重要です。
さらに、車両の購入に際してローンを利用している場合は、毎月の返済額も維持費として考慮する必要があります。これらの費用は、車両の選択やライフスタイルによって大きく変動するため、購入前にしっかりとシミュレーションし、無理のない計画を立てることが大切です。
普通車と軽自動車の維持費を項目別に比較
軽自動車の大きな魅力は、普通車と比較して維持費が安い点にあります。
この違いは、税金、保険料、車検費用、燃料費など、車を所有する上で発生する様々な項目に及びます。特に排気量が1,000ccから1,500cc程度のコンパクトカーと比較しても、その差は明確です。
具体的にどの項目で、どのくらいの費用の違いが生まれるのかを詳しく見ていき、軽自動車の経済的なメリットを明らかにします。
自動車税の金額は普通車の約3分の1
軽自動車と普通車の維持費で最も大きな差が出るのが、毎年支払う自動車税です。
軽自動車税(種別割)は、自家用乗用車の場合、一律で年間10,800円です。
これに対して、普通車の自動車税(種別割)は排気量によって税額が定められており、最も税額が低い1,000cc以下のコンパクトカーでも年間25,000円(2019年10月1日以降に初回新規登録した場合)かかります。
例えば、1,001cc~1,500ccのクラスでは30,500円となり、軽自動車の税額は普通車の約3分の1から4分の1程度に抑えられています。
車検費用や保険料も軽自動車のほうが安い傾向
車検費用に含まれる法定費用のうち、自動車重量税と自賠責保険料は軽自動車のほうが普通車より安く設定されています。
自家用乗用車の2年分で比較すると、自動車重量税は多くの普通車が16,400円以上であるのに対し、軽自動車は6,600円です。
また、自賠責保険料も軽自動車のほうが安価です。
任意保険料についても、車両の型式ごとに事故リスクを算出して決められる料率クラスが、軽自動車は普通車より低い傾向にあるため、保険料が安いケースが多く見られます。
整備費用に関しても、部品代の安い軽自動車は費用を抑えやすいです。
燃費性能に優れガソリン代も抑えやすい
軽自動車は、車体が軽くエンジン排気量も小さいため、一般的に普通車よりも燃費性能に優れています。
最新のモデルではハイブリッドシステムを搭載した車種も増えており、燃費ランキングの上位には多くの軽自動車が名を連ねています。
燃費が良いということは、同じ距離を走行するために必要なガソリンの量が少なく済むため、日々のガソリン代を直接的に節約することにつながります。
また、優れた燃費性能を持つ多くの軽自動車はエコカー減税の対象となっており、購入時にかかる自動車重量税の免税や軽減措置を受けられる点もメリットです。
要注意!軽自動車でも維持費が高額になるケース

維持費の安さが魅力の軽自動車ですが、乗り方や車の状態によっては、想定以上に費用がかさみ、普通車と変わらない、あるいはそれ以上の負担になることもあります。
特に走行距離、年式、保険の契約内容などが、維持費が高くなる主な要因です。
軽自動車だからといって必ずしも維持費が安いとは限らないため、どのような場合に費用が高額になるのか、具体的なケースを把握しておくことが重要です。
毎日の通勤や長距離運転で走行距離が長い
毎日の通勤や休日の長距離ドライブなどで年間の走行距離が1万kmを超えるような使い方をする場合、軽自動車であっても維持費は高くなる傾向にあります。
走行距離が伸びると、まずガソリン代の負担が大きくなります。
さらに、エンジンオイルやタイヤ、ブレーキパッドといった消耗品の交換サイクルが早まり、メンテナンスにかかる費用も増加します。
特にターボエンジン搭載車は、オイル交換をこまめに行うことが推奨されるため、メンテナンスコストがさらにかさむ可能性があります。
年式の古いモデルで税金や修理費が増える
車両本体価格が安いという理由で年式の古い中古の軽自動車を選ぶと、購入後の維持費が高くつく可能性があります。
まず、新車登録から13年を経過した車両は、軽自動車税と自動車重量税が重課され、税金の負担が増加します。
加えて、年式が古くなるほど部品の劣化は避けられず、故障のリスクも高まります。
突然のトラブルによる修理には高額な費用がかかることもあり、特にエンジンやトランスミッションなどの主要部分が故障した場合、修理費用が中古車の購入価格を上回ってしまうケースも少なくありません。
車両保険の内容や等級で任意保険料が上がる
任意保険の保険料は、軽自動車の維持費の中でも変動が大きい項目の一つです。
事故を起こして保険を使用すると、翌年度から等級が下がり、保険料が大幅に上がってしまいます。
また、万が一の自損事故や盗難に備えて車両保険を付帯させると、補償が手厚くなる分、保険料は高額になります。
特に新車価格が高い車種や、スポーツカータイプの軽自動車は車両保険料が高く設定される傾向です。
運転者の年齢を問わない条件や、運転者の範囲を限定しない契約内容にすることも、保険料が上がる要因となります。
年式が13年を超えた場合
先述しましたが、軽自動車は、新車登録から13年を経過したタイミングで、環境負荷への配慮から税金が重課されます。
具体的には、軽自動車税(種別割)が標準税額の10,800円から約20%増しの12,900円に引き上げられます。
さらに、車検時に支払う自動車重量税も、13年経過で6,600円から8,200円に、18年経過で8,800円へと段階的に増額されます。
これらの増税は、古い車両を所有し続ける限り維持費に影響を与え続けるため、13年という年数は、車の乗り換えを検討する一つの目安となります。
維持費が気になったら売り時かも? 売却先の選択肢を徹底解説

税金やメンテナンス費用が増加し、軽自動車の維持費が負担に感じられるようになったら、それは車の売却を検討する良いタイミングかもしれません。
車の売却先には、ディーラーでの下取りや買取専門店、地域の中古車販売店など、いくつかの選択肢があります。
それぞれの売却方法にはメリットとデメリットがあるため、自身の状況に合わせて最適な方法を選ぶことが、納得のいく価格で車を手放すための鍵となります。
ディーラー下取り
新車への乗り換えを検討している場合、最も手軽な方法が購入先のディーラーに現在乗っている車を下取りに出すことです。
新しい車の購入手続きと売却手続きを一つの窓口で同時に進められるため、手間がかからないのが最大のメリットです。また、納車日まで現在の車に乗り続けられる利便性もあります。
ただし、下取り価格は一般的に中古車買取専門店の査定額よりも低くなる傾向があります。
あくまで新しい車の購入代金からの値引きという位置づけになるため、純粋な買取価格としては高値を期待しにくい側面があります。
一括査定
少しでも高く車を売りたい場合に有効なのが、インターネットの一括査定サービスを利用する方法です。
車種や年式、走行距離などの車両情報を一度入力するだけで、複数の買取業者にまとめて査定を依頼できます。業者間で競争が起こるため、ディーラー下取りや単独の業者に依頼するよりも高値がつきやすいのがメリットです。
一方で、申し込み直後から多くの業者から営業の電話がかかってくることがあるため、その対応に手間を感じる場合もあります。
また、一括査定サービスに登録している買取業者は、自社以外にライバルがいることを理解しているため、ユーザーに対して「この場で決めてくれたら〇〇万円出します」といった形でプレッシャーを与えてくることがあります。
電話ラッシュや交渉の圧のストレスを避けたい方は注意が必要でしょう。
近くの車屋さん
自宅の近くにある中古車販売店や、日頃から車のメンテナンスを依頼している整備工場などに買い取ってもらう方法もあります。地域に密着した店舗の場合、担当者と顔なじみの関係を築きやすく、安心して取引を進められるというメリットがあります。
また、独自の販売網を持っている店舗であれば、特定の車種を高く評価してくれる可能性もあります。
ただし、買取価格は店舗の方針や在庫状況に大きく左右されるため、必ずしも高額査定につながるとは限らず、査定額の比較対象が少ない点がデメリットです。
勝ち抜き査定のセルカ
セルカは全国8000社以上のバイヤーが登録しているオークションサービスです。
これまで解説してきた買取サービスのデメリットを克服し、「楽に・高く」車を売却することができます。
一度査定を受けた後、売り切り金額(最低希望落札価格)を設定してオークションに出品するだけで、参加バイヤーたちの入札競争によって自然と価格が吊り上がっていきます。
オークションの仕組みや売り方について詳しく知りたい方は、
「セルカオークションの仕組み」をご確認ください。
また、セルカでは買取業者などの中間業者を介さずに、次の中古車販売店へ直接売却する仕組みに近いため、中間マージンが削減され、その分出品者に還元することができるのです。
さらに査定の申込みから売却まで、セルカが窓口になってご対応いたしますので、様々な業者と連絡を取ったり、交渉する必要はありません。
愛車を楽に最高額で売却したい方は、是非勝ち抜き査定のセルカをご利用ください。
今日から実践できる!軽自動車の維持費を節約する5つのコツ

軽自動車の維持費は、日々の少しの工夫や定期的な見直しによって、さらに安く抑えることが可能です。
燃費を意識した運転方法から、保険や車検といった大きな出費の削減、さらには支払い方法の工夫まで、誰でも今日から取り組める具体的な節約術を5つ紹介します。
これらのコツを実践し、無駄な出費を減らして、より経済的なカーライフを目指しましょう。
急発進・急ブレーキを避けて燃費を向上させる
ガソリン代を節約する最も基本的な方法は、燃費の良い運転、いわゆる「エコドライブ」を心がけることです。
発進時はアクセルを緩やかに踏み込み、時速20km程度までゆっくりと加速する「ふんわりアクセル」を実践しましょう。
また、走行中は車間距離を十分に保ち、先の交通状況を予測することで、不要な加速・減速を減らせます。
急発進や急ブレーキ、急ハンドルといった「急」のつく運転は、燃費を悪化させるだけでなく、タイヤやブレーキパッドの摩耗を早める原因にもなり、メンテナンス費用の増加につながります。
自分に合った任意保険のプランに見直す
任意保険は、年に一度の更新時にプラン内容を見直すことで、保険料を大幅に節約できる可能性があります。
例えば、運転する人を本人や家族に限定する「運転者限定特約」や、運転者の年齢を制限する「年齢条件」を適切に設定するだけで保険料は安くなります。
また、自分の車の利用状況を考え、不要な補償や特約が付いていないか確認することも重要です。
近年は、代理店を介さずインターネットで直接契約する「ダイレクト型(通販型)」の自動車保険も人気で、一般的に代理店型よりも保険料が安く設定されています。
複数の業者に見積もりを依頼して車検費用を比較する
車検費用は、依頼する業者によって大きく異なります。
費用を抑えるためには、複数の業者から見積もりを取り、料金やサービス内容を比較検討することが不可欠です。
車検を受けられる場所には、正規ディーラー、車検専門フランチャイズ店、民間の整備工場、ガソリンスタンドなどがあります。それぞれの特徴を一覧で比較し、自分の希望に合った業者を選びましょう。
例えば、ディーラーは安心感がありますが費用は高め、車検専門店は速さと安さが魅力といった特徴があります。事前に見積もりを取ることで、不必要な整備や部品交換を防ぐことにもつながります。
定期的なセルフメンテナンスで大きな出費を防ぐ
専門的な知識がなくても自分で行える簡単なセルフメンテナンスを定期的に実施することで車のコンディションを良好に保ち将来的な大きな故障を防ぐことができます。例えばタイヤの空気圧チェックは燃費の悪化やタイヤの偏摩耗を防ぐのに効果的です。
またウォッシャー液の補充やエンジンオイルの量汚れの確認冷却水の残量チェックなども日常的に行えるメンテナンスです。
これらの小さな点検を習慣づけることが結果として高額な修理費用の発生を未然に防ぎ維持費の節約につながります。
支払い方法を工夫してポイント還元を活用する
自動車税や車検費用、保険料といった定期的な支払いは、その支払い方法を工夫することで実質的な負担を軽減できます。
近年、自動車税をクレジットカードで納付できる自治体が増えています。
クレジットカードで支払えば、利用額に応じたポイントが還元されるため、現金で支払うよりもお得です。同様に、車検費用や任意保険料もクレジットカード払いに対応している業者が多いため、支払いをカードに集約させるのも良い方法です。
支払い方法の変更を検討し、ポイント還元などを積極的に活用しましょう。
まとめ
軽自動車の維持費は、税金や保険料の面で普通車よりも優遇されており、年間の総額を安く抑えられる大きなメリットがあります。
しかし、走行距離が多い場合や、年式が古くなった車両ではメンテナンス費用や税金が増加し、維持費が高額になることもあります。
日々の運転で燃費を意識したり、保険や車検の内容を定期的に見直したりすることで、維持費はさらに節約可能です。
この記事で解説した内訳や節約術を参考に、自身のカーライフに合った維持費を把握し、計画的な費用管理をすることが重要です。







