車の下取りを利用する際、スムーズに進めるためにはいくつかの手順があります。
しかし、「どのような手順で下取りを進めればいいかわからない」という方もいるのではないでしょうか。
本記事では、車を下取りに出す際の6つのステップを紹介します。
車を下取りに出すことを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
車の下取りとは

車の下取りは、新車や中古車を購入する際に所有している車を引き取ってもらい、
その査定額を新しい車の購入代金に充てる制度です。
たとえば、新車を購入する際に下取り車が50万円と査定された場合、
50万円分を差し引いた金額で新車を購入できます。
下取りを利用するメリットは、車の買い替え手続きが一度で完結し、
名義変更や必要書類の手続きなどもディーラーに代行してもらえる点です。
特に時間がない方や、できるだけ簡単に車を買い替えたい方におすすめのサービスです。
車の下取りと買取の違い

車を手放す際に下取りのほかに、買取という選択肢がありますが、両者には明確な違いがあります。
下取り | 買取 | |
---|---|---|
メリット | ・買い替えと売却を同時に進められる ・新車購入時に一度で手続きが完了する ・名義変更や手続きをディーラーが代行してくれる | ・査定額がディーラーより高額になることが多い ・複数の業者で査定を比較できる ・車検切れや事故車でも買い取ってもらえる可能性がある |
デメリット | ・下取り価格がディーラーによって変動する可能性がある ・査定額は買取専門店より低い傾向がある ・新車購入時に下取り価格が引き下げられる場合がある | ・査定に時間がかかることがある ・買取業者による営業電話が増えることがある ・手続きの手間がかかる |
下取りは、主にディーラーで行われているサービスです。
新車や中古車を購入する際に所有している車を引き取ってもらい、
その査定額を新しい車の購入代金に充てられます。
新車購入と古い車の売却を一度に済ませられ、名義変更や書類準備もディーラーが代行してくれるため、
手続きの手間をできるだけ減らしたい方におすすめです。
一方、買取は買取業者や専門店で行われます。
買取は、市場価値にもとづいて査定されるため、下取りよりも高い金額が提示される場合が多いです。
特に古い車や事故車などは買取業者に依頼することで、より高い査定額が得られる可能性があります。
ただし、買取業者の利用には営業電話の増加や手続きの煩雑さといったデメリットが伴います。
これらの不安を解消したい方には、セルカの利用がおすすめです。
セルカでは、1回の査定で8000社が登録するオークションに出品でき、複数業者からの入札を受けられます。
営業電話の心配もなく、自分のペースでオークションの最高額で売却できます。
車の下取り相場の決まり方

ここでは、車の下取り相場の決まり方を解説します。下取り相場に影響する主な要素は、以下の通りです。
- 車種・年式・グレード・走行距離
- 車の状態(外装・内装)
- 事故歴・修復歴の有無
- 季節・タイミング
- 純正パーツや付属品の有無
車の下取り相場が高くなるか、低くなるかを決めるポイントになるので、
所有している車に該当しているか確認してみましょう。
車種・年式・グレード・走行距離
車の下取り価格は、主に「車種」「年式」「グレード」「走行距離」によって決まります。
人気のブランドやモデル、市場での需要が高い車ほど、査定額が高くなる傾向にあります。
次に、年式も重要な要素です。
一般的には新しい年式ほど高値がつきますが、古くても状態が良好であれば評価が上がることも少なくありません。
グレードは装備や仕様の違いを示すため、上級グレードや特別仕様車などは高額査定につながります。
高級内装や先進安全装備などが搭載されていると、プラス評価になることが多いです。
そして、走行距離も査定額に影響します。
使用年数に対して距離が短いほど消耗が少ないと判断され、高評価につながりやすいです。
10万kmを超えると減額の可能性が高くなりますが、メンテナンス状況が良好であれば、
一定の評価を得られることもあります。
車の状態(外装・内装)
車の下取り価格を左右する重要な要素の一つが、外装と内装の状態です。
まず外装は、車体の傷やへこみ、塗装の剥がれなどがあると、修理費用が査定額から差し引かれます。
内装も重要です。タバコのにおいやペットの毛、シートの破れなどがあると、
内装の清潔感が欠けるため、査定額がマイナスになりやすいです。
しかし、内装の掃除や小さな修復を行うことで、査定額がアップすることもあります。
事故歴・修復歴の有無
車の下取り価格において、事故歴や修復歴も査定額に影響を与える要素です。
事故歴とは、過去に事故に遭った履歴のことを指し、履歴がある車は査定額が低くなる傾向があります。
修復歴とは、車の骨格部分(フレームやピラー)に損傷があり、修理や交換が行われた履歴のことです。
修復歴がある車は、将来的に不具合が発生するリスクが高いと見なされ、価格が下がることがあります。
季節・タイミング
車の下取り価格は、季節やタイミングによって大きく変動することがあります。
特に年度末(3月)や中間決算期(9月)は、ディーラーが販売台数を増やすため、
下取り価格が上昇することが多いです。
また、車種によって需要がピークを迎える季節もあります。
例えば、4WD車は冬(11月~2月)に雪道での走行性能が求められるため、高く売れやすくなります。
軽自動車やコンパクトカーは春の引越しシーズン(3~4月)に需要が増し、
スポーツカーやオープンカーは春から夏(4~8月)が需要期です。
一方、新型車が発表された直後、旧モデルの価値が急落することがあるため、
モデルチェンジが近い車は発表前に売却するのが賢明です。
下取りを検討する際は、季節やタイミングを意識して、有利な時期に車を売却することをおすすめします。
純正パーツや付属品の有無
車の下取り価格には、純正パーツや付属品の有無も影響を与えます。
特に、購入時に付属していた純正パーツや取扱説明書、整備記録簿がすべてそろっていると評価が高くなります。
例えば、スペアキーを紛失してしまうと、その作成費用が査定額から差し引かれるため、
保管しておくことが重要です。
また、純正パーツが取り外されて社外品に変更されている場合、
再販時に純正パーツを取り戻すための費用が発生し、査定額が減額されることがあります。
純正オプションパーツが装着されていれば、その分査定額がアップすることもあります。
しかし、過度なカスタマイズや改造は逆効果となり、車の価値が下がる可能性があるため注意が必要です。
関連記事:【高額買取のために知っておこう】車の査定で見られるポイント
車の下取り手順

次に、車の下取り手順を解説します。
- 新しく購入する車を決める
- 査定を受ける
- 必要書類を準備する
- 契約・支払いを行う
- 新車の納車・中古車の引き渡し
以下で紹介する手順に沿って、下取りを進めましょう。
1.新しく購入する車を決める
車の下取りを進めるには、まず新しく購入する車を決めます。
新車や中古車を購入する際に、どの車種やグレードを選ぶかを慎重に検討します。
メーカーやモデル、オプションの選定に加えて、予算設定もこの段階で行いましょう。
購入する車の決定が下取りの流れに直接影響するため、この段階で予算を決めておくことが重要です。
また、新車の見積もりをもらう際に「下取りを考えている」と伝えることで、
査定も同時に行なってもらえます。
特に、ディーラーでは新車の値引きと下取り価格が連動しているため、
値引き額と下取り価格の総額で交渉するのがポイントです。
人気車種やモデルの納期も確認し、購入計画に合わせたタイミングを見計らうことが重要です。
この段階で、自分の車の下取り相場を事前に調べておくと、よりスムーズに進められます。
2.査定を受ける
次に、業者による査定を受けましょう。査定では、車の状態や市場価値にもとづいて価格が決まります。
査定は一般的に30分程度で終了し、査定額が提示されます。
この時、他の業者からの査定額と比較することで、納得できる金額で下取りを進められるでしょう。
下取り価格が予想より低いと感じた場合は、他の買取業者と査定額を比較し、
その結果をディーラーに伝えて交渉することも可能です。
査定を受ける際は、事前に相場を調べておくことをおすすめします。
3.必要書類を準備する
車の下取りをスムーズに進めるためには、必要書類を事前に整えておくことが大切です。
主に必要となる書類には、車検証(自動車検査証)・自賠責保険証明書・自動車税納税証明書・リサイクル券・印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)・実印などがあります。
車検証を紛失した場合は陸運局で、自賠責保険証は保険会社で再発行可能です。
納税証明書も、各都道府県税事務所で取得できます。
また、ローン残債がある場合は、ローン会社に完済証明書や抹消承諾書を発行してもらう必要があるため、
事前に確認しておくとよいでしょう。
親名義や他人名義の車を下取りに出す際には、委任状や所有者の印鑑証明書が追加で必要になります。
準備する書類は車の状況や業者によって異なるため、早めに確認して手続きに遅れがないようにしましょう。
4.契約・支払いを行う
車の下取りが成立したら、次は契約手続きと支払いに進みます。
ディーラーでの下取りの場合、通常は新車購入契約と下取り契約を同時に行います。
契約書には、下取り価格や車の状態・引き渡し日・支払い条件などが記載されているため、内容を慎重に確認してください。
特に、口頭で合意した下取り価格と契約書に記載されている金額が一致しているか、
引き渡し条件や特記事項に問題がないかなどをチェックしましょう。
下取り価格は通常、新車の購入代金から差し引かれる形で処理されますが、
また、ローンが残っている場合、ディーラーがローン会社と連携して残債を精算することがありますが、
手数料が発生することもあるため事前に確認しておきましょう。
契約後のキャンセルはトラブルの原因になるため、納得のいく内容で契約を結ぶことが重要です。
さらに、自動車税の月割り還付などの税金についても確認しておくことをおすすめします。
5.新車の納車・中古車の引き渡し
下取り契約が完了した後、いよいよ新車の納車と下取り車の引き渡しが行われます。
新車の納車日が決まったら、その日に現在の車を引き渡すことになります。
引き渡し前には、車内にある私物をすべて取り出しておきましょう。
また、カーナビの登録情報やBluetoothの接続履歴も削除して、個人情報が漏れないように注意してください。
新車の納車が行われる日には、下取り車の最終チェックも行われます。
この際、契約時の査定から新たに傷や故障が発生していると、
査定額が変更される可能性があるため注意が必要です。
また、ガソリンは通常、ディーラーに特に指定がない場合が多いですが、
最低限の量は入れておくことがマナーとされています。
引き渡しが完了すると、ディーラーが名義変更などの手続きを進めます。
引き渡し後は、車検証などの重要書類が手元に残っていないか再確認し、
自動車税の還付手続きが必要な場合はディーラーや役所に確認しておきましょう。
車を高値で下取りしてもらうためにできる4つのコツ

ここでは、車を高値で下取りしてもらうためにできるコツを紹介します。
- 車内外の清掃と洗車をしておく
- 複数の査定で相見積もりを取る
車を高値で下取りしてもらうために、事前に準備しておきましょう。
車内外の清掃と洗車をしておく
車の下取り価格を高くするコツのひとつが、査定前に車内外をきれいに清掃することです。
査定額に大きく影響するわけではありませんが、査定員は車の状態を見て評価を決定するため、
外装や内装が清潔で手入れが行き届いている車は第一印象がよくなります。
外装は手洗いで丁寧に洗い、汚れや水垢を落としましょう。
可能であればワックスを塗布してツヤを出すと、さらに印象がプラスになります。
内装については、掃除機でシートやフロアマットのゴミを取り除き、
ダッシュボードや内装パネルの埃もきれいに拭き取ります。
特にタバコのにおいやペットのにおいは査定額を下げる原因になるため、消臭剤で対応しておくことが重要です。
査定の前日に洗車と清掃を行い、査定当日まで車内外をきれいに保つよう心掛けましょう。
複数の査定で相見積もりを取る
車を少しでも高く下取りしてもらうためには、複数の業者に査定を依頼し、相見積もりを取るのが効果的です。
同じ車でも、ディーラーと買取専門店では査定額に差が生じることがあります。
複数の査定額を把握していると、業者に対して「他の業者では〇〇万円と言われました」と伝えることで、
査定額を引き上げてもらえる場合があります。
査定の方法としては、個別に依頼するか一括査定サービスを利用するのが一般的ですが、
オークション型サービスの利用もおすすめです。
オークション型では、複数のバイヤーが競り合うことで価格が上がりやすく、
個人情報も一括管理されるため営業電話が減らせます。
なかでもセルカは、1回の情報入力で複数の業者が入札する仕組みを採用しており、
手間なく高く売りたい人におすすめです。
関連記事:中古車を高く売るコツ!方法・時期・注意点まで徹底解説
車の下取りに関するよくある質問

最後に、車の下取りに関するよくある質問に答えました。
- ローン残債があっても下取りできる?
- 事故車や故障車も下取りに出せる?
- 下取りに出す前にガソリンは満タンにするべき?
- 下取りに出す前に車検は通すべき?
車を下取りに出す前に、確認しておきましょう。
ローン残債があっても下取りできる?
車にローンが残っている場合でも、下取りは可能です。
ただし、ローン未完済の状態で下取りに出すには、いくつかの注意点と手続きがあります。
まず、ローンで購入した車の所有権は、ローン会社(信販会社など)にあることが一般的です。
そのため、車を下取りに出すには、ローン残債を清算し、所有権を移転する必要があります。
たとえば、ローン残債が100万円、下取り価格が80万円の場合、差額の20万円は自己負担となり、
以下のいずれかで支払います。
- ディーラーがローン会社と直接やり取りして精算する
- 自分でローンを完済して名義を変更してから売却する
- 新車のローンに残債を上乗せする
ローンが残っている車を下取りに出す場合は、ローン契約書の内容を確認し、
ローン会社または販売店に相談することが大切です。
事故車や故障車も下取りに出せる?
事故車や故障車も下取りに出すことは可能ですが、状態によっては価格が大幅に下がることがあります。
特に、事故歴や修復歴のある車は、査定額が30〜50%も下がることがあります。
車の骨格部分に損傷がある場合は、「修復歴あり」として扱われ、
再販時の価値が大きく減少するため注意しましょう。
また、エンジンやトランスミッションといった重要部品に故障がある車も同様に、評価が低くなります。
ただし、事故車専門の買取業者や故障車買取業者であれば、車種や人気に応じて一定の価格がつくことがあります。
動かない車の場合でも、レッカー代無料で引き取ってくれる業者も存在するため、
インターネットで「事故車買取」や「故障車買取」を検索してみるとよいでしょう。
事故車や故障車を下取りに出す際は、まず複数の業者に査定を依頼して、相場を把握することをおすすめします。
下取りに出す前にガソリンは満タンにするべき?
車を下取りに出す際、ガソリンを満タンにする必要はありません。
ディーラーでの下取りの場合、ガソリンの残量は通常、査定に大きな影響は与えないためです。
ただし、ガソリンがほとんどない状態は、試乗や査定に支障をきたすことがあるため、
最低でも4分の1程度の残量は確保しておきましょう。
下取りに出す前に車検は通すべき?
車検を通すべきかどうかは、費用対効果を考慮する必要があります。
車検には通常10〜15万円程度の費用がかかりますが、
車検を通しても下取り価格の上昇幅はそれほど大きくないことが多いです。
例えば、車検が切れそうな車に15万円をかけて車検を通したとしても、下取り価格のアップは5〜8万円程度に
とどまるため、実際には7〜10万円程度の損失が発生する計算になります。
一方で、車検が残っている車の場合、その残存価値が評価されるため、
車検が1年以上残っていれば下取りに出すタイミングとして有利です。
車検切れの車でも、ディーラーや買取店は陸送サービスを提供しているため、問題なく下取りが可能です。
しかし、車検切れが長期間続くと車の状態が悪化することがあるため、
できるだけ早く下取りに出すことが推奨されます。
車検切れが近い場合、無理に車検を通さず、そのまま下取りに出す方が経済的には得策です。