2019年8月23日

キャンピングカーは、キャンピングカービルダーと呼ばれる業者がトヨタや日産などからベース車両を購入し、お客様の希望に沿ったカスタムを施してから販売する「セミオーダーメイド」カーです。

一般的なカーディーラーでは取り扱っていないことが多く、戸惑われているかたも多いことでしょう。

そこで今回は、キャンピングカーの買い方と題して、「そもそもどこで売っているの?」「どこを選べばいいの?」といった疑問にお答えしていこうと思います。

 

 

キャンピングカーはどこで売ってるの?

 

キャンピングカーは、キャンピングカービルダーと呼ばれる業者がベース車をお客様のオーダーに合わせて独自にカスタムして販売しています。

「キャンピングカービルダーは、どこにどんな会社があるの?」というと、日本RV協会の公式ホームページにて全メーカーを検索することができます。

日本RV(レクリエーション・ビヘイクル)協会は、キャンピングカーの普及促進のために1994年3月10日に設立された一般社団法人で、キャンピングカービルダーとカーディーラーによって構成されています。

参考 – https://www.jrva.com/members/

 

上記のサイト「日本RV協会 会員名簿」では、日本各地にあるキャンピングカービルダーをマップから調べることができるため非常に便利ですよ。

キャンピングカービルダーや販売店舗へは、購入相談や契約手続き、購入後のサポートや万が一の修理、下取りなど、ことあるごとに訪れることになります。

そのため、基本的には自宅から近い場所にあるキャンピングカービルダーや販売店に出向いてみて印象の良かった店舗を利用するとよいでしょう。

以下では、日本各地に複数店舗を持つ有名なキャンピングビルダーをいくつか紹介しておきます。

 

 

◎東和モータース販売 https://towa-motors.com/

藤和モータース販売は、軽自動車ベースのキャンピングカーから海外の大型キャンピングカーまで豊富なラインナップを誇る人気のキャンピングビルダーです。

1935年に自動車整備工場の開業から始まって、1967年には中古車買取販売業を開始。

1992年からはキャンピングカー専門店も開設し人気を博しています。

新車のほか、中古車やレンタルキャンピングカー、各種パーツ販売も行っており、不要になった際にはキャンピングカー買取査定を利用することもできますよ。

販売からアフターケアまで、しっかりしたサポート体制も特徴的な安心・安全なビルダーです。

店舗は2019年8月時点で、東京本店、千葉、埼玉、横浜、札幌に展開しています。

 

◎Nuts RV

Nuts RV(ナッツRV)は、軽キャンパーからバスコン、果てはフルコンまで対応可能な人気のキャンピングカービルダーです。

神奈川、埼玉といった首都圏のほか、札幌、愛知、京都、福岡(本社)にも店舗があるのが魅力的。

豊富な品揃えと多彩なオプション、高品質(高断熱・高気密・高い静粛性など)、キャンピングカーイベントを良く開催することなども特徴となっていますね。

国内のほか、中国やフィリピンにも大きな工場を備える日本有数のビッグビルダーとして成長を続けています。

 

◎バンテック

バンテックは、日本各地に直営店や販売店、サービススポットを多数持つことで知られるビッグビルダーです。

そのネットワークは業界随一で、購入後のアフターサービスに優れるビルダーですね。

特に本格的なキャンピングカーである「キャブコン」の評価が高く、業界トップシェアを誇っています。

 

◎デルタリンク

デルタリンクも、首都圏を中心に販売店を数多く展開しています。

新車のほか中古車の取扱量も豊富で、店舗では購入相談や買取相談、パーツの販売やメンテナンスも受けることができます。

韓国にも出展していたりと規模拡大中の業者ですね。

 

◎フジカーズジャパン

こちらも、店舗数が多いビッグビルダーになります。

札幌、仙台、高崎、新潟、茨城、つくば、柏、厚木、狭山、浜松、岐阜、神戸、広島、鳥栖と北から南まで展開規模が大きいことで知られています。

キャンピングカーのレンタルサービスも利用することができるので、実際に使ってみてから購入を検討されるのがよいでしょう。

 

◎ケイワークス

非常に熱心な経営者で知られるのがケイワークスです。

公式ホームページを見るとキャンピングカーに関する詳細かつ膨大な記事が掲載されており、会社の売上推移まで公開されていたりします。

キャンピングカーに対する愛が深く、品質はトップクラスでしょう。

西日本を中心にサービス店や取次店を拡大しており、今後にも期待が持てるキャンピングビルダーです。

 

◎レクビィ

TwitterやFacebook、ファクトリースタッフやセールススタッフのブログといった情報発信が盛んなキャンピングビルダーです。

内外装の材質にはこだわりを持っており、遮光、高断熱、高気密、静粛性、耐久性に優れた良質なキャンピングカーを架装しているメーカーになります。

直営店のほか、こちらも日本各地に販売店を展開しているのが特徴的となっています。

このほかにも、その都道府県にしかないキャンピングビルダーも存在します。

あなたのお住まいの近くにもキャンピングビルダーがないか、ぜひ日本RV協会のページから検索してみてください。

 

 

キャンピングカー購入の流れ

 

キャンピングカービルダーによっても多少異なりますが、購入の流れとしては以下の通りです。

1.店舗にて購入相談

キャンピングビルダー店舗へ来店し、お好みの車両についてセールススタッフと相談しながらキャンピングカーの仕様を決めていきます。

ベースとなる車、必要な装備オプション、その他気になることなどを話し合いの中で煮詰めていきます。

 

2. 仮契約 & 登録用書類の準備

仮契約にあたって、申込金(手付金)の支払いとなります。

総支払額(満額)の半分程度というところもあるようですね。

そのほか印鑑証明、車庫証明などを準備します。

分からないことがあればスタッフが親切丁寧に教えてくれるので安心です。

 

3.キャンピングカー架装の開始

キャンピングカーは、お客様の希望に沿ったカスタムを施してから販売する「セミオーダーメイド」カーです。

そのため納車には2か月程度~6か月程度かかります。

 

4.陸運局による検査、車両の登録

キャンピングカーは特殊なカスタム車両であるため陸運局にて厳正な検査を行い安全性をチェックします。

その後、問題がなければ車両登録手続きとなります。

希望ナンバーなどがある場合には、相談を受け付けているところがほとんどです。

 

5.最終チェック クリーニング 納車

納車はご自宅まで持ってきてもらえる場合と店舗での引き渡しを選べることが多いです。

 

【キャンピングカー注文時につけておきたいオプション】

 

そんなキャンピングカー購入時に悩むのが、設備オプションでしょう

キャンピングカーにぜひとも付けておきたい装備には、

・FFヒーター

・換気扇

・サブバッテリー

・充電装置

があります。

 

FFヒーターは、車の燃料と少量の電気を使用して車内を暖めることができるヒーターです。

エンジンをかけておかなくとも使用できるので、「アイドリングがうるさい」と怒られることもなく、室内の空気を汚すこともなく、一酸化炭素中毒の心配もなく快適に冬場を過ごせますよ。

夏場に備えて、できればエアコンも欲しいところですが大きな金額がかかるのとベース車両によっては搭載不可(オプションなし)であったりするため注意が必要です。

 

そのほか、車内の空気を入れ替える換気扇、家電製品を使うためのサブバッテリー、走行充電や太陽光充電ができる装置もあると便利です。

 

理想をいえばシャワーやトイレもあったほうが快適です。

 

キャンピングカーにはこのほかにもたくさんの装備がありますが不要なものまでつけてしまうと非常に高額になってしまいますので、最低限必要と思うものだけで済ませるというのも手ですね。

 

【ナンバー登録について】

最後にキャンピングカー購入後のナンバー登録について、その種類や特徴について紹介いたします。

キャンピングカーのナンバー登録には、1,3,4,5,8ナンバーが存在します。

・1ナンバー

正式名称:普通貨物自動車

登録要件:全長4.7m×全幅1.7m×全高2m×排気量2000ccを超える「貨物自動車」

まずは、1ナンバーです。

1ナンバーは、正式には普通貨物自動車登録で、車体の大きさ、エンジンの排気量のほか荷室の広さなどで判断されます。

そんな1ナンバーのメリット・デメリットは

 

◎メリット

・自動車税が安い

 

×デメリット

・自賠責保険料は高め

・車検期間が初回を除き毎年になる

・高速料金が高め

・横向きシートレイアウトは不可

 

などがあります。

自動車税は安く済むものの車検が毎年必要になったり、高速料金が5ナンバー比120%程度の高めな料金を取られたりと結果、デメリットが目立ちます。

キッチンなど特殊装備が必要になるものの用途に合えば8ナンバー登録にしてしまうのも手ですね。

 

・2ナンバー

 

2ナンバーは、乗車定員11人以上の集合自動車(主にバス)が対象となります。

運転には中型免許、乗車定員30名以上の場合には大型免許が必要になります。

個人で2ナンバーの車を所有するかたはあまりいないかもしれませんね。

ただ、簡単にご紹介しておくと、2ナンバーの自動車税は排気量ではなく乗車定員で税額が決められています。

乗車定員30人以下で営業用車でない場合には33,000円程度となっています。

重量税も16,400円程度と普通の自家用車と大差ありません。

自賠責保険料についても普通の自家用車並みの金額で収まります。

ただ、車検は毎年になりますので維持費は高額になりがちです。

そのほか、高速料金も高額になります。

 

・3ナンバー

正式名称:普通乗用自動車

登録要件:全長4.7m×全幅1.7m×全高2m×排気量2000ccを超える「乗用自動車」

お次は、3ナンバーです。

3ナンバーは、正式には普通乗用自動車登録で、同じく車体の大きさ、エンジンの排気量のほか荷室の広さなどで判断されます。

そんな3ナンバーのメリット・デメリットは

 

◎メリット

・車検は初回は3年に1回(以後は2年に1回)

・登録時には、8ナンバー登録では必要とされるキッチンなどの設備が不要

 

×デメリット

・横置きシートレイアウトは不可

 

があります。

人によってはキッチンや水回り装備は不要と考える人もいるでしょう。

そんな人に向いているのが3ナンバー登録です。

ただ、法律上、横置きシートレイアウトができないためやむなく8ナンバー登録を目指す人もいます。

 

・4ナンバー

正式名称:小型貨物自動車

登録要件:全長4.7m×全幅1.7m×全高2m×排気量2000cc以下の「貨物自動車」

つづいて、4ナンバーです。

4ナンバー登録のためには、正式には小型貨物自動車登録で、車体の大きさ、エンジンの排気量がすべて登録要件以下である必要があります。

そんな4ナンバーのメリット・デメリットは1ナンバーと同じく

 

◎メリット

・自動車税が安い

・重量税が安い

 

×デメリット

・自賠責保険料は高め

・車検期間が初回を除き毎年になる

 

などがあります。

自動車税は安く済むものの車検が毎年必要になったりと意外と思ったよりも費用差は小さくなります。

高速料金は特段、高い料金は取られないのが救いですね。

 

・5ナンバー

正式名称:小型乗用自動車

登録要件:全長4.7m×全幅1.7m×全高2m×排気量2000cc以下の「乗用自動車」

お次は、5ナンバーです。

5ナンバーは、3ナンバーの規定を下回る小型乗用車になります。

そんな5ナンバーのメリット・デメリットは

 

◎メリット

・車検は初回は3年に1回(以後は2年に1回)

・登録時には、8ナンバー登録では必要とされるキッチンなどの設備が不要

・自動車税が3ナンバーよりも安め

 

×デメリット

・横置きシートレイアウトは不可

 

などがあります。

8ナンバー登録にするかどうか迷った場合には、横置きシートレイアウトの必要性、キッチンや水回り設備などの必要性の有無を考えるとおのずと答えが出ます。

 

・8ナンバー

正式名称:特殊用途自動車

登録要件:緊急車両車(パトカー、消防車、救急車など)、法令特定事業で使用する自動車(郵便車など)、特殊な用途に用いるその他の自動車

最後は、8ナンバーです。

8ナンバーは、特種用途自動車として定義されていますが一般個人が登録するにあたって関係があるのは実質、キャンピングカーくらいでしょう。

 

そんな8ナンバーのメリット・デメリットは

 

◎メリット

・自動車税、重量税ともに安くなりがち

・自由なシートレイアウトが可能

・高速料金が普通の車と同じ料金

 

×デメリット

・登録手続きが厳格化された

・車検は最初から2年に1回

・自賠責保険料や任意保険料が高め

・そもそも任意保険に入れないことも

 

などがあります。

8ナンバー登録することによって、各種税金は安くなりがちで、車内のシートレイアウトなど設備配置の自由度は高まります。(必ずしも税金が安くなるわけではありません。車両によっては設備重量の増加によって重量税がアップすることもありえます)

高速料金についても1ナンバー車と違って普通車と同じ料金で通れることも。

ただ、8ナンバー登録にあたっては寝台、調理設備、上下水設備など特種用途自動車として認められる設備を車内に備え付けておく必要があります。

 

参考 -  www.mlit.go.jp/jidosha/kensatoroku/kensa/kns07_2.htm

国土交通省 特種用途自動車(8ナンバー)の構造要件

 

それら設備はキャンピングカーに必要な装備とされることが多いので好都合と考える人も多いでしょうけれど、それらが不要と考える人にとっては不向きな登録ナンバーです。

 

登録手続きは煩雑で、証拠写真を撮られることも。

増した設備で重量が増してしまい、安全性確保のためブレーキやサスペンションを強化しないと不安になったりとなにかと出費がかさむこともあります。

 

あとは保険料が高めになることや、場合によっては任意保険に入れないこともあるため注意が必要です。

 

いろいろと懸念も多い8ナンバー登録ですが、充実装備で自由度の高い設備レイアウトのキャンピングカーを実現したい場合には乗り越えたい壁ですね。

 

 

 

まとめ

 

 

今回は、キャンピングカーの買い方と題してキャンピングビルダーの探しかた、ビッグビルダー数社の紹介、購入のながれ、ナンバー登録の違いと特徴について解説してきました。

本記事が、皆さまが素敵なキャンピングカーライフをスタートするうえで少しでもお役に立てば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました!