新型のクルマが出るたびに、納期が何ヶ月待ちとか1年以上待ちとかが当たり前のように聞かれている昨今。2023年に登場したクルマの中では、6月に発表されたトヨタの最高級ミニバン、アルファード/ベルファイアのフルモデルチェンジが大きな話題になりました。
例には漏れず、アルファード/ベルファイアも登場以来大変な人気を博しており、2023年8月1日現在ではメーカーオフィシャルサイト上での納期表記が「詳しくは販売店でご確認ください」となっています。これは納期の見通しができない場合の表記。その長い行列は、すでに1年以上待ちとも言われています。
それならば、即納できて安価に購入できる旧型を中古でと考えるのが、一般的な落とし所。しかし、アルファード/ヴェルファイアに関しては現存している台数が多い割には、この常識が通用しない事態となっているのです。それは、需要と供給のあまりにいびつな関係から生じています。新車を購入しても納車の目処が立たないため、買い求める人たちが一気に中古車市場へと目を向けてしまいました。その結果、需要が供給を圧倒的に上まわってしまったのです。
◆異常に高騰してしまった中古車価格
カーセンサーやグーなどの中古車サイトを検索してみればすぐにわかることですが、現在旧型の3代目アルファード/2代目ヴェルファイアはとても高価な値付けがされています。マイナーチェンジ後の最上級グレード「エグゼクティブラウンジ」など人気車は、販売当時の売価を超える個体も数多く存在するほどです。俗に言うプレミア価格というものです。
エグゼクティブラウンジで高年式かつ低走行距離となると、800万円以上のプライスをつけている販売店も多く、これでは新型とさほど価格が変わらないという状況です。グレードに関係なく2018年式以降の後期型で絞れば、400~600万円あたりが一番のボリュームゾーンとなっており、非常に高値で推移していることがわかります。まさにバブルと言える状況なのです。
このバブルも「新型の需要が落ち着き、通常通り納車されるまで」だと冷静に考えればわかるのですが、その“通常”がいつになるのか皆目見当もつきません。ただでさえ半導体やそのほかの部品の供給不安定による生産遅延が続いている、現在のトヨタ。納期がわからないと謳っているのはアルファード/ヴェルファイアだけではなく、多くの新型車が納期半年以上、もしくは納期未定となっている状況です。以前のような通常納車は相当先になることが予想されます。
◆売る方にとってはまたとないチャンス!
こうなるとますます需要が増え続けるため、買取市場の価格もどんどん上がっていきます。売り時の判断が難しいといわれるクルマの買取事情ですが、3代目アルファード/2代目ヴェルファイアに関してはまさに今が一番高く売れるチャンスといえるでしょう。
当サイトでは買取実績を公表していますが、一度見ていただければその高値安定ぶりがお分かりいただけるでしょう。残価設定ローンで購入されている人が残価を一括払いできるほどの金額で売却できてしまった、というパターンも見受けられるほどです。
今回取り上げた3代目アルファード/2代目ヴェルファイアのバブル期は、かなり特殊なパターンです。普通はこんなにプレミア価格になることはあり得ません。買う方は困ってしまう状況も、売る方にとっては最大のチャンスとなります。クルマの市場価格は日々変動しています。もし3代目アルファード/2代目ヴェルファイアの売却を検討しているのなら、バブルの弾けないうちに売ってしまうことをオススメします。
<文=青山朋弘 写真=トヨタ>