クルマの支払いってどれが正解? 残価設定ローンやサブスクリプションのデメリットは? 多種多様な現在のクルマ購入方法を解説

クルマの支払いってどれが正解? 残価設定ローンやサブスクリプションのデメリットは? 多種多様な現在のクルマ購入方法を解説

2025年6月5日

以前は、クルマという何百万円もするような高価な商品を買うために用意されたプランは、一括払いか、分割のローン払いのどちらかが常識でした。しかし、現在では残価設定ローンやサブスクリプションなど、クルマ購入の支払い方法も選択肢が増加。さまざまな買い方が用意されています。今回は、2025年現在におけるクルマの購入方法を紹介します。

クルマの購入は、一般的には家の次に高いとも呼ばれるほど高価な買い物。数百万の単位での出費になりますから、慎重にならざるを得ません。そして、クルマ自体も種類やグレードなどによって価格もピンキリ。当然現金一括で購入できる人ばかりではなく、分割で支払う人も多く存在します。

日本でのクルマ購入では、まず大前提で新車購入と中古車購入に分かれますが、今回は新車購入を中心に話を進めていきます。一般的な分割払いには、2025年現在

・ローン払い
・残価設定ローン(リース)
・サブスクリプション

の3種類の買い方が選択できるようになっています。

■ローンでの支払い

複数のローンプランが用意され商談が進められるのが、通常の日本のディーラーでの購入。全額ローンで購入の場合や、頭金を最初にいくら入金するのか、またボーナス月に増額するボーナス払いの有無など、条件によって毎月の支払い額も変わっていきます。自分の考えている予算や、毎月の支払額などを十分検討しながら、ディーラーの営業マンと契約を交わすというのが一般的な買い方だといえるでしょう。

しかし、ほとんどの場合ローンには金利というものが付いてきます。ディーラーでの購入は、その販売店が契約を交わしている信販会社とのローン契約となります。特別なキャンペーン時などを除けば、通常およそ3~10%の金利が付与されます。

対して、銀行や信用金庫で用意されているマイカーローンなどを利用すると、金利は低く抑えられる場合が多くなります。金融機関にもよりますが、1~5%というのがマイカーローンの金利相場です。ただし、金融機関のローンは審査が厳しいというデメリットもあります。頭金を多くし、借入額をなるべく減らすなどして、審査を通りやすくしてみることも試してみましょう。

ローンで購入するメリットは、全額支払いが終わればクルマが自分名義に変更できるという点です。これは、このあと説明する残価設定やサブスクリプションではできない長所といえるでしょう。

■販売の80%を占める車種も? 残価設定ローン

通常のローンに対し、月々の支払額が大幅に低減できると話題のローンが「残価設定型ローン」。いま新車販売ではこの買い方が8割以上を占める車種もあるほど、一般的になりつつある購入方法です。残価設定とは、文字通りローンの契約終了時に車両本体価格の一部を残す方法。残価は、ローン契約終了時の買取価格を予想して設定されます。最近のスマートフォンの購入方法にも似たシステムです。

契約終了時のマイカーの行き先について、いくつか選択肢が用意されていることも残価設定ローンの特徴。クルマをそのまま手元に残したい場合は、残金一括払いもしくは再ローンで購入という選択ができます。一方で手放す、もしくは乗り換える場合は、これまでのクルマをそのまま販売店が引き取るという選択肢も用意されています。

この残価設定ローンは、月々の支払いが抑えられる点こそ最大のメリットではありますが、デメリットも多く諸刃の剣だということはあまり知られていないかもしれません。「結果的には普通にローンを組んだほうが安く済んでいたのに」なんてこともあります。その性質上、ローンというよりリースと言ったほうがピンとくる人もいるでしょう。

まずはそんな残価設定ローンのメリットから説明しましょう。

■残価設定ローンのメリットとは?

・月々の返済額が抑えられる

あらかじめ残価を差し引いた額を分割払いにするため、購入額のすべてをローン払いにするより毎月の支払額が少なくできる点。これこそが残価設定ローンの最大のメリットといえるでしょう。少しでも毎月の支払いを抑えたいのであれば、活用したいところです。

・売却時の最低金額が保証される

購入時に残価を設定しなければならないため、契約終了時の売却額が予想しやすいことも特徴のひとつです。残価設定ローンには、車両状態に対するルールがあらかじめ設定されていますが、そこさえクリアしてしまえば売却時の金額はほぼ決まっているようなもの。景気や市場動向に左右されない点も、メリットでしょう。

・値引き交渉ができる

通常購入と同様に、値引きの交渉ができる点も残価設定ローンのメリットでしょう。新車購入時には、どうしても値引きの交渉というものは発生します。後述しますサブスクリプションでは一切値引きができないため、この点は大きなメリットとなるでしょう。そのほか、通常のローンよりも金利が優遇されている場合も多く見られます。この点も事実上の値引きといえます。

・メーカーを変えない乗換向け

積極的に新車を乗り換えていきたい人にとっては、残価設定ローンはいいシステムといえるかもしれません。契約終了時には、クルマを買取ってもらう前提のローンですから、乗換の話は当然のように付いてきます。乗換時に、同じディーラーで新たに契約するのなら特典もあるかもしれません。そのクルマを長期的に保有する気がないのなら、メリットとなるでしょう。

■残価設定ローンのデメリットを知ろう

さまざまなメリットを挙げてきましたが、残価設定ローンには当然欠点もあります。契約時には、以下の内容を知った上で慎重に決めることを忘れないようにしましょう。

・所有権がつかない

車検証上の記載で、所有者の欄はローン会社のままとなります。自分のものではないということです。通常の全額ローンと違い、契約が満期を迎えても名義変更は行われません。残価の支払いに応じた新たな契約次第となります。

当然、勝手に売却などができないため、契約途中で手放すことになったときには手続きが複雑になります。クルマをカスタムすることも基本はNGです。

・金利が高い

銀行や信用金庫のマイカーローンなどと比べ、金利が高く設定されている場合が多く見られます。厳しい金融審査がクリアできるのでしたら、金融機関のローンのほうがはるかに得でしょう。

そして忘れてはいけないのが、支払っている額だけではなく、残価にも金利がつくという点。クルマの総額に対し金利がつく点はローンとなんら変わりません。それどころか、残価が最後まで残るという意味では、金利はむしろ高くつく場合もあります。将来的に買い取るつもりでいるのなら、金利の%にもよりますが、ローンで購入するより支払い総額で得することはほぼないと考えたほうがいいかもしれません。

・使用制限がある

残価をあらかじめ設定しているため、クルマの価値を保つ必要があります。特に走行距離の制限は、使いたいときに使えないという場面も出てくるほど不便な制限だといえるでしょう。

前述のようにクルマのカスタムも基本はNGです。改造した場合は、契約終了時にフルノーマル状態へ戻さなければなりません。外装の傷や凹み、内装の損傷やニオイなどにも注意しましょう。

・乗換は基本同メーカーのみ

厳密にいえば、そのディーラーで販売している車種ということになります。なぜなら、現在の車両は購入したディーラーへ返却することになるからです。契約終了時に新車への乗り換えを希望する場合、同じメーカー、もしくは同じブランドの新車から選ぶことが基本です。

どうしても他メーカーのクルマに乗り換えたいのであれば、残価設定ローンの契約が終了する際にクルマを返却する(ディーラーで引き取る)か、残価分を支払い買取するかのどちらかを選択します。買い取る場合は、残価分を一括、もしくは新規に再ローンを組み支払うこととなります。

・リセールで損する場合も

購入時に残価は決まってしまうため、売却時にどんなに相場が上がっていても反映されません。特に需要の多いSUVやミニバンなどの人気車種の場合は、契約終了時に相場が上がっている場合も考えられます。

しかし、逆に得する場合もあります。それは相場が下がってしまったときです。残価を設定しているということは、残価分の価値は保証されています。その点では、市場動向に左右されないため安心できるともいえます。

■サブスクリプションは購入というよりも……

一方で、残価設定ローンと並んで昨今注目されているのが「サブスクリプション」。こちらは一定の月額が設定され、契約期間中はそれ以上費用がかからないという方法です。

毎月毎月決まった額さえ納めていれば、車検・点検費用やその他のメンテナンス費用はもちろんのこと、毎年の税金や任意保険まですべて月額費に含まれます。維持費としてかかってくるのは、燃料代と駐車場代だけ。サブスクリプションは、そんなシンプルさから非常に注目を浴びているサービスです。

しかしこのシステムは、購入には結びつかないことを忘れてはいけません。3年や5年といった契約期間内なら好き勝手に乗り放題できる代わりに、契約終了後には必ず返却しなければならないのがサブスクリプションの大きな特徴。そういった意味では、購入というより“長期レンタル”といったほうがわかりやすいかもしれません。契約時の値引き交渉はありませんし、所有権も付くことはありません。

■条件があえば大いにメリットがある!

では、このサブスクリプションはどういった人に適しているのでしょうか。

個人契約でなら、若年層の初心者向けには非常にメリットがあるシステムだといえるでしょう。若年層、特に高校卒業と同時に免許を取得した18歳の初心者ドライバーが、クルマ購入時にいざ任意保険に入るとなると、それはそれは高額な保険料に驚くことになります。この高額な任意保険額が、若年層のクルマ離れの一因にもなっていることは想像に難くありません。しかしサブスクリプションであれば、任意保険もすべて込み込みでの月額払いとなります。この点は大きなメリットになるでしょう。

そしてクルマの運転にまずは慣れ、自分に合ったクルマをじっくり選ぶ時間ができるという点も初心者ドライバーには利点となります。最初はどんなクルマが自分に合っているのかは、誰もが悩むところ。次の愛車候補が見つかるまで、契約期間の数年で大いに悩みましょう。

ほかにも、法人契約にもこのシステムは有利に働きます。それまで社有車はリースしていたという会社であれば、日頃のメンテナンス代や税金、保険料といった維持費が一括でまとまるだけでもありがたく感じるでしょう。社有車にかかる経費が管理しやすくなる点では、法人契約向けともいえるシステムです。

購入というよりレンタルに近いという点で見れば、所有権が付かない、カスタム厳禁などの使用制限などは当然発生してきます。これらは、前述の残価設定ローンと同じです。月額負担額はローン等に比べれば多少高額になりがちですが、使用する人によってはメリットがあるシステムだといえるでしょう。

■見積もりから購入方法を選ぶのもアリ

このように、「クルマ購入の方法」とひと言でいっても現在はさまざまな選択肢が用意されています。自分にあったものはどれが一番いいのか、熟考してから決定するようにしましょう。

新卒社会人の方々のなかには、仕事にも慣れそろそろマイカーでもと考えている人もいることでしょう。購入するクルマが決まっているのであれば、まずは販売店に行き、そこの販売店ではどんな購入方法が選べるのか、そしてそれぞれどのくらいの支払いとなるのか、まずは見積もってもらうことから始めるといいかもしれません。

あとは、一括払い以外のどのプランを選ぶにしても、頭金は用意しておいて損をすることはありません。頭金の額によって月々の負担額は大きく変わってくることも忘れないようにしましょう。

<文=青山朋弘>


この記事を書いた人

TomohiroAoyama

青山朋弘

新車専門誌、中古車専門誌、モータースポーツ誌などの編集部を経て、
現在はフリーランスの編集&ライター。
自動車専門誌やWebサイトに寄稿しながら、YouTube動画の撮影・編集も行う。
愛車は10年前に走行5万kmで見つけた、NA型ロードスターの初期型。
趣味のMTBをどうやって積むのがいいか、常に試行錯誤している。

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