スカイラインNISMOってどんだけスゴいの? NISMOの過去モデルがバケモノ揃いだった件

スカイラインNISMOってどんだけスゴいの? NISMOの過去モデルがバケモノ揃いだった件

2023年10月22日

◆スカイラインとNISMOの深めな歴史

2023年8月8日、現行13代目スカイラインのハイパフォーマンスバージョン「NISMO」を限定販売すると発表されました。

ベースになったグレードは、スカイラインの長い歴史上で初めて標準で400馬力を超えた、400R。スカイラインNISMOは、1960年代の2代目から続くスカイラインのグランドツーリングカー(GTカー)としての伝統を継承しながら、さらに現代のレーシングテクノロジーを活かし開発されました。

400Rの性能をさらに突き詰め、究極のGTカーに仕立て上げられたNISMO。エンジンやサスペンション、ブレーキなどにNISMOの専用チューンが施され、内外装にも専用アイテムを装備しました。ノーマルグレードとはひと味もふた味も違う仕様となった特別なスカイラインは、NISMOが限定1000台、匠仕上げの高精度な手組みエンジンが載るNISMOリミテッドはさらに少ない100台の限定生産となります。

スカイラインとは縁のあるNISMOモデルですが、GT-R以外では7代目R31以来となるスカイラインでのNISMO仕様登場となりました。1984年創立以来NISMOモデルはさまざまな車種に展開されてきましたが、スカイラインとGT-Rほど多くのモデルがリリースされた車種はありません。そんなスカイライン&GT-RとNISMOの深い関係性を語る上で欠かせない、歴代のNISMOモデルを振り返ってみましょう。

 

◆限定車&グレード

●’87 R31 2ドアクーペ GTSツインカム24Vターボ NISMO

7代目スカイライン(R31型)の2ドアクーペに追加された限定モデル。スカイラインに初めてNISMOの文字が付いたモデルでもあります。スカイラインの生誕30周年を記念して発売され、限定台数は1000台でした。

電動可変式のフロントスポイラー「GTオートスポイラー」や4輪操舵のHICASなど、GTSの特徴的な装備はもちろんですが、このR31 NISMOでのトピックは、新開発セラミックターボの採用です。

ターボ搭載車の弱点ともいえる、ターボラグを少しでも減らすために採用された新技術。金属ではなく軽いセラミック製のタービンを使うことにより回転レスポンスを高め、ターボラグを少なくする狙いがありました。その効果は、馬力やトルクのスペック以上に感じられ、非常にレスポンスの良いエンジンとして知られることになりました。

搭載自体はフェアレディZのほうが先ではありましたが、その後セラミックターボを搭載したRB20DET型6気筒ユニットは、マイナーチェンジ後のスカイラインをはじめほかの車種にも波及していきます。

 

●’90 R32 GT-R NISMO

もはや伝説にもなっているGT-Rのレース勝利数。R32型はグループAというカテゴリーが主流だった全日本ツーリングカー選手権で、初戦から負け知らずの29連勝という大記録を打ち立てました。そのグループAレースカーのベースとなったのが、ホモロゲーション(認証)モデルであるGT-R NISMO。生産台数の限定500台は、グループAの規定で定められた台数でした。

GT-Rのノーマルグレードとの違いは、ターボタービンのメタル化(ノーマルはセラミック製)、エアダクト付きフロントバンパーへの変更、インタークーラーグリル(金網)の廃止、小型リアスポイラー追加、リアワイパー/ABS/エアコン/オーディオの廃止による軽量化など、多岐に渡りました。

現在のNISMOと違うのは、スペック的なアップデートは行われていないという点です。R32型GT-Rのもともと持っている性能がいかに凄かったかが窺い知れるエピソードです。ちなみにボディカラーは、ガングレーメタリックの1色のみの設定でした。

 

●’14~ R35 GT-R NISMO

2014年モデルの発表と同時に追加された、ハイパフォーマンスグレード。標準グレードとは一線を画す走行性能が特徴のモデルです。レーシングモデルのGT3からターボタービンを流用するなど、NISMO専用のチューニングを施したVR38DETT型エンジンは、改良するたび進化を重ね、最新の2024年モデルでは600ps/652Nmを発生するにまで至っています。

純内燃機関を搭載する最後のGT-Rとも噂される、現行R35型GT-R。登場から16年経ちますが、その魅力は色褪せることなく常に世界トップクラスの性能をキープしています。NISMOはその中でもR35型GT-Rの強烈な個性を、一番強く反映させたモデル。最後の内燃機関NISMOとして、将来は高額で取引されると予想されます。

 

◆チューニングコンプリートカー

●’95 R33 NISMO 400R

スカイラインベースとしては初となる、NISMOがフルチューンを施したコンプリートカー。車名に使われる400は、専用エンジン「RB-X GT2」の最高出力である400馬力をそのまま表しています。

限定99台のコンプリートカーは、数多くのNISMOパーツと、400R専用装備で贅沢に仕上げられていました。そこには一般的なチューニングカーとは一線を画す、フルコンプリートカーの魅力が詰まっています。外装のエアロパーツや内装のシート、メーターなどはすべて専用品。メカニズム系でも前述の専用エンジンに加え、ECCSユニット、カーボンプロペラシャフトなども専用パーツになっています。

多岐にわたるチューニング内容のすべては、400ps/47.8kgmのハイパワーをしっかりと生かすためのもの。駆動系、足まわり、シャシー剛性、ブレーキまで、まさにクルマ全体がNISMOパーツでトータルプロデュースされている、NISMOならではのコンプリートカーといえるでしょう。

 

●’04 R34 GT-R Z-tune

R34型をベースにした、NISMO創立20周年記念のコンプリートカー。NISMOがその持てる技術をすべて注ぎ込んで作った、究極のロードゴーイングカーです。NISMOが厳選した、走行距離3万km以下、ボディ状態のいいアプルーブドカーをベースに、20台のみ製作されました。

Z-tune Spec2を略した「Z2」と名付けられたエンジンは、500ps/540Nmを発生。エンジンブロックやクランクシャフト、コンロッドなどは、スーパーGTのGT500車両などで使用されたレース用を使うなど、サーキットで培ったノウハウが直接活用されています。

CFRPを多用したボディワークや専用サスペンション、シャシーなどにもあらゆる技術が生かされ、レース車両と同様に熟練工のハンドメイドで組み上げられました。量産車では実現できないパーツ精度やクオリティを持つ、まさに特別な1台に仕上がっています。

 

<文=青山朋弘 写真=日産/NMC >

 

この記事を書いた人

TomohiroAoyama

青山朋弘

新車専門誌、中古車専門誌、モータースポーツ誌などの編集部を経て、
現在はフリーランスの編集&ライター。
自動車専門誌やWebサイトに寄稿しながら、YouTube動画の撮影・編集も行う。
愛車は10年前に走行5万kmで見つけた、NA型ロードスターの初期型。
趣味のMTBをどうやって積むのがいいか、常に試行錯誤している。

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