【新型スペーシア試乗】パッと見では変わってないように見えるけど…… 進化幅が想定外な3代目の魅力とは?

【新型スペーシア試乗】パッと見では変わってないように見えるけど…… 進化幅が想定外な3代目の魅力とは?

2023年12月26日

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スズキのスーパーハイトワゴン「スペーシア」が、2023年11月9日にフルモデルチェンジを実施しました。3代目となる同社一番の販売台数を誇る稼ぎ頭は、どのように変わったのでしょう。試乗する機会に恵まれましたので、進化した点を中心にお届けいたします。

●その違いは乗ればすぐにわかる!?

変わったところをお伝えする前に、軽自動車市場の現状を振り返ってみましょう。現在のリアサイドスライドドアを持ったスーパーハイトワゴンと呼ばれる形の車種は、07年登場の2代目ダイハツ タントが最初でした。そこから徐々に車種が増え始め各社がスーパーハイトをラインナップ。現在ではこのジャンルが軽自動車市場の中心となっています。

スズキは13年に、パレットの後継として初代スペーシアを発売。軽自動車では初の両側スライドドアを備えたモデルでした。17年には2代目へとモデルチェンジを行い、軽自動車販売台数トップの絶対王者ホンダ N-BOXの販売を脅かす存在にまで成長します。23年までの累計販売台数は130万台を突破。スズキ四輪車のなかでもダントツに販売数が多く、ラインナップの中心的存在となりました。

そんなスペーシアですが、初代、2代目とすでに軽自動車規格ギリギリにまで拡大されたボディを持っていたため、3代目となった今回も大まかなフォルムは変わっていません。これは、乗員スペースであるキャビンを最大限に生かすための形状。しかし、フォルムこそ同じであれど、進化した部分はいたるところにあります。乗ればわかる先代との違いを、順番に紹介していきましょう。

●外も内もボディの進化が効果的

まずはフォルムがあまり変わらない外観ですが、よく見ると違う部分が多々あります。ボディサイドのプレスラインは、スーツケースをモチーフにした先代からは明らかに折り返し面が増えています。これはデザインモチーフがコンテナへと変わったことにより、キャラクターラインをより明確化したからです。サイドビューでライバルとの差別化をはかった意図が見られます。そしてこれまで初代、2代目と続いていたDピラーのブラックアウト化が初めてなくなり、根本をはっきりと残したボディ同色ピラーへと変わっています。

薄型のLEDヘッドライトが大きなトレンドとなるなかでも、あえて大きな四角いヘッドライトを採用。スペーシアらしい親しみやすさは継承されています。スポーティさよりも、上質さや華やかさを表現する方向性へと変わったスペーシア カスタムは、ギラギラ感が限りなく抑えられ上質感を演出。メッキ部を少なくし、フロントマスクには艶のあるブラックとメッキを両方使用したグリルをしました。薄型ヘッドライトと相まって、スマートかつスタイリッシュに仕上がっています。

ボディは外見だけではありません。もちろん、中身も改良が加えられています。むしろ変わった点はこちらのほうが大きく感じるかもしれません。プラットフォームこそ先代からの「ハーテクト」を踏襲していますが、ボディ下面接合部に減衰接着剤を採用したり、高張力鋼板の使用率を増やしたり、さまざまな新技術が採用されました。これにより軽量・高剛性なハーテクトの特徴はさらに引き立つこととなりました。

走り始めると、はっきりと高まった剛性感が感じられ、サスペンションがよく動き乗り心地が向上しています。頭を上下にゆすられる感覚が少ない、そんな印象をリアシートでも感じられました。しかしこの効果の原因は、ボディの剛性アップだけではありませんでした。

●新アイテムが乗り心地と座り心地を両立!

リアシートの乗り心地の向上。これはなにもクッション性だけの問題ではありません。例えば、いかに正しい姿勢で座ることができるか、こんなことも重要になります。新型スペーシアのリアシートに新たに設けられたマルチユースフラップは、まさにその乗車姿勢を安定させてくれるスグレモノ。この便利アイテムが持つ3つの機能のうち、走行中に使う「レッグサポートモード」が乗り心地の向上に役立っています。

この機能は、シートの前端に設けられたフラップを伸ばして使用するもの。軽自動車のリアシートは車体の構造上座面が小さくなりがちですが、レッグサポートモードはシート地と同じフラップをちょうど膝下の部分に当てられるため、身体を安定させることができます。座る場所もシートの一番座り心地がいい場所へと必然的に固定。加えて長距離移動時の疲労も軽減してくれますので、イイことづくしです。新設されたアームレストも使えば、軽自動車だとは思えない快適性が味わえます。

マルチユースフラップはあと2つの機能があります。本来はこちらの目的が発端だった「荷物ストッパーモード」は、シート座面に荷物を載せる際に役立つ機能。フラップを上方向に返すことによって、ブレーキング時などに座面から荷物が落ちることを防いでくれます。そしてもう一つが「オットマンモード」。これは休憩中などリラックスしたいときに重宝する機能で、レッグサポートモードからさらにフラップ前方へ伸ばし、角度を調整することで足を浮かせることができます。リクライニング機能と合わせて使いたいモードです。

●こんな使いやすいインテリアなかったかも

コックピットに座れば、インパネのすべての操作スイッチが手の届く範囲に効率よく配されているのがわかります。使い勝手を重視した、スペーシアならではのデザインといえるでしょう。スライドドアスイッチの小型化や、フルカラー表示のヘッドアップディスプレイなど運転のしやすさやユーティリティを重視している装備が惜しみなく採用されています。シートヒーターに加え、軽自動車では珍しいステアリングヒーターが採用されている点もトピックのひとつといえるでしょう。

助手席側のダッシュボード正面には、従来型はスーツケース風のリッド付き収納ボックスが備わっていましたが、今回はそこを大型のトレイにしています。これは車内での食事や作業が多くなったことを想定してのデザイン。トレイのすぐそばに備わるUSBジャックには、タイプAとタイプCが両方用意されているなど、いまの世の中に求められているものがいち早く取り入れられました。

ラゲッジルームでは、リアシートを格納した時のフロアがよりフラットな形状へと改められました。これはシート座面のダイブダウンと、背もたれの角度を改善した結果で、一般的な自転車ならハンドルの高さまで余裕で飲み込む広さを実現しています。

●クラストップの低燃費性能

試乗しての感想は、乗り心地のよさだけではありません。ハンドリングも素直で意のままに曲がり、そして走りに軽自動車らしい軽快感を残している点など、スズキの軽自動車らしさがしっかりと感じられました。ここでもハーテクトの恩恵は絶大で、そこは先代からしっかりと継承されています。軽量なことは重たくなりがちなこのクラスにとって、大きな武器になります。ライバル車に比べ30~60kg車重が軽く仕上がっているおかげもあり、軽快な走りを生んでいます。

軽さが生きるのは、燃費面でも然り。WLTCモードの燃費性能は、クラストップの25.1km/Lをマーク(ハイブリッドG FF)。これには新たに採用されたR06D型エンジンと、軽量・高効率なCVTとの組み合わせも大きく影響しています。ボディだけでなくパワートレインも含めたクルマ全体の総合力で、この燃費性能を実現させてきました。

ADAS(先進安全運転支援システム)は、軽自動車では最高レベルといえるACC(アダプティブクルーズコントロール)を新たに導入。全車速追従+停止保持機能だけでなく、車線保持機能や追い越し時の加速機能も備わり、もはや登録車との差はほとんどなくなってしまいました。

軽スーパーハイトワゴンは各社もっとも売れているジャンルなだけあり、あらゆる技術が惜しみなく投入されています。車両価格も軽自動車としてはかなり高い部類になります(スペーシアは153万100~219万3400円)が、買ってよかったと思える満足感の高いクルマに仕上がってきています。新型3代目スペーシアも例に漏れず、魅力的な仕様と装備が満載。顧客満足度は、かなり高いクルマになるだろうと予想されます。

王者N-BOXもモデルチェンジし、各社最新モデルが出揃った軽スーパーハイトワゴン市場。どのモデルがトップセラーになってもおかしくない出来の良さですので、今後の動向が楽しみなジャンルです。

<文=青山朋弘 写真=スズキ/青山朋弘>


この記事を書いた人

TomohiroAoyama

青山朋弘

新車専門誌、中古車専門誌、モータースポーツ誌などの編集部を経て、
現在はフリーランスの編集&ライター。
自動車専門誌やWebサイトに寄稿しながら、YouTube動画の撮影・編集も行う。
愛車は10年前に走行5万kmで見つけた、NA型ロードスターの初期型。
趣味のMTBをどうやって積むのがいいか、常に試行錯誤している。

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