
車を売りたいと思っていても、店舗まで持ち込む時間がないと悩む人もいるのではないでしょうか。
その際に便利なのが、自宅にいながら査定を受けられる買取出張サービスです。
買取出張サービスでは、プロの査定士が自宅まで訪問してくれるため、
仕事が忙しい方や小さな子どもがいて外出しづらい方でも気軽に利用できます。
しかし、「出張査定は有料なのか」「何か準備が必要か」とはじめての方にとっては不安もあるでしょう。
この記事では、車の出張買取を安心して使うための流れや査定額を上げるコツ、必要書類の準備まで、
車を売る際に知っておくべきポイントをわかりやすく解説します。
あわせて、売却トラブルを避けるためのポイントについても解説しているため、ぜひ参考にしてください。
車の出張買取とは

車の出張買取と聞くと、
「わざわざ家まで来てもらうのだから、費用がかかるのでは?」
「店舗に持ち込むより安く買い叩かれるのでは?」
といった不安を感じる人も少なくありません。
しかし実際には、
多くのサービスで査定や引き取りが無料で提供されており、
査定額も店舗と同等レベルが期待できます。
ここでは、車の出張買取の基本的な特徴やよくある誤解について整理していきます。
査定や引き取りの費用は基本無料
出張での査定や車の引き取りには、通常費用はかかりません。
これは、買取業者にとってお客様の車を仕入れるための営業活動の一環だからです。
もちろん、買取が成立しなくても料金を請求されることはありません。
ただし、例外的なケースも考えられるため、
申し込み前に以下の内容を具体的に確認しておくことが大切です。
- 出張費用や査定料は完全無料かどうか
- キャンセル時に料金が発生しないか
また、出張査定の場合、
「遠方まで来たのでなんとかうちで売ってください」
「このまま帰ったら上司に怒られるので帰れないです」などと、
契約を強く迫られるケースもあるようです。
このように契約までしつこく迫られる場合もありますが、営業トークに流されず、冷静に対応することが大切です。
店舗査定と同等の査定額が期待できる
出張査定でも店舗査定と同じ基準で評価されるため、
「出張だから」という理由で査定額が不当に低くなることはありません。
愛車の価値を正しく評価してもらい、納得のいく価格で売却するためには、
1社だけでなく複数の業者に見積もりを依頼し、査定額を比較することが重要です。
車の出張買取を利用するメリット

車の出張買取に興味はあっても、「店舗査定とどっちがよいか」と迷う人もいるでしょう。
ここでは、車の出張買取ならではのメリットを解説します。
- 店舗に行く時間と手間を省ける
- 車検切れや不動車も査定できる
- 自宅で手軽に複数社を比較検討できる
店舗に行く時間と手間を省ける
出張買取は、店舗まで車を持ち込む必要がなく、
自宅や職場など希望の場所で査定を受けられる点がメリットです。
店舗の混雑状況によっては長時間待たされたりする必要がないため、
ストレスなくスムーズに売却を進められます。
たとえば、小さな子どもがいて外出しづらい方や、
高齢の家族を介護している方など、
家庭の事情で自由に動きにくい場合でも、自宅で完結できる出張査定なら無理なく対応できます。
車検切れや不動車も査定できる
出張買取であれば、
店舗まで車を自力で持ち込む必要がないため、動かない車でも査定を依頼できます。
たとえば、以下のケースでも対応可能です。
- 車検が切れて長期間放置していた
- エンジントラブルやバッテリー上がりで動かせない
- 事故で破損し、自走できない
こうした車でも査定士が現地まで訪問し、査定と引き取りを行います。
多くの場合、不動車を運ぶためのレッカー車が手配されるため、依頼者が準備することはほとんどありません。
査定を申し込む際は、
故障の内容や最後に動かした時期などをあらかじめ伝えておくと、スムーズに対応してもらえます。
また、車検切れであっても、
車検証や自賠責保険証などの書類は必要となるため、忘れずに用意しましょう。
自宅で手軽に複数社を比較検討できる
車の出張買取では、業者に自宅へ来てもらうだけで査定を受けられるため、
店舗を何軒も回る必要がありません。
短時間で複数の業者を比較でき、より条件の良い売却先を選びやすくなります。
近年ではオークション形式で進行する車の売却サービスが注目されています。
事前に査定を受けて、その情報をオークションに掲載すると複数の業者がオンラインで入札し、
最高額をつけた業者に売却できる仕組みです。
面倒な交渉や駆け引きもなく、納得のいく売却が可能です。
車の出張買取がおすすめな人

車の出張買取という選択肢があると知っても、「本当に自分に合った方法なのか」と迷う方もいるでしょう。
ここでは、店舗での査定より出張買取の方が向いている人について解説します。
- 仕事や家事で店舗に行く時間がない
- できるだけ楽に売却を済ませたい
- 営業電話や交渉が苦手
仕事や家事で店舗に行く時間がない
車の出張買取は、
仕事や家事に追われる日々の中でも、生活スタイルに合わせて売却を進められる方法です。
たとえば、平日は仕事が忙しく、休日は家族との時間を大切にしたい場合でも、
夕方以降や土日など希望の時間帯に対応してもらえることが多く、
無理なくスケジュールに組み込めます。
日々忙しく過ごす方こそ、出張買取の便利さを実感しやすいでしょう。
できるだけ楽に売却を済ませたい
できるだけ手間をかけずに車を手放したい場合は、出張買取がぴったりです。
査定から契約、引き渡しまでを自宅で対応できるため、
店舗に足を運ぶ必要がなく、効率よく売却を進められます。
業者によっては、名義変更の代行や必要書類の案内を行っていることもあり、
初めての売却でも戸惑うことなく進められるでしょう。
スムーズな対応を希望する場合は、
事前に車検証や納税証明書などの必要書類を揃え、車内を整理しておくと安心です。
また、対応スピードの評価の高い業者を選ぶと、安心して手続きを進められるでしょう。
複数の業者に一度に査定を依頼したい人
車の出張買取を利用する際、
「できるだけ高く売りたい」「何社かを比較して納得して決めたい」という人には、
一括査定サービスの活用も一つの方法です。
ただし、多くの業者から営業電話がかかってくるケースもあるため、
電話対応が苦手な方にとってはストレスになる場合もあります。
車の出張買取依頼から入金までの流れ

ここでは、車の出張買取を依頼してから入金を受け取るまでの基本的な流れを5つのステップに分けて解説します。
- Webや電話で出張査定を申し込む
- 出張査定の日時と場所を決める
- 売却に必要な書類を用意する
- 出張査定と売買契約を行う
- 車を引き渡して入金を確認する
全体の流れを事前に把握しておくことで、
安心して申し込みから売却までスムーズに進められるでしょう。
1.Webや電話で出張査定を申し込む
車の出張買取をはじめるには、
まずWebフォームや電話から査定の申し込みを行います。
その際に車両情報を正確に伝えることが、スムーズな査定と適正価格につながります。
たとえば、愛車買取オークション「セルカ」に車買取を申し込む場合、
申し込みフォームにアクセスし、以下の項目を入力します。
- メーカー・車種名
- 年式
- 走行距離
- 氏名・住所・メールアドレス
一括査定サービスのように複数業者から営業電話がかかってくることはないため、やり取りがスムーズです。
2.出張査定の日時と場所を決める
査定申し込み後は、業者からの連絡を受けて、希望の日時と場所を調整します。
その際には、以下の確認や案内が行われることがあります。
電話の内容
- サービス説明
- お申し込み内容の確認
- 出張査定の日程調整とお伺いする住所の確認
※地域によってはお伺いが難しい場合やセルカ提携店で査定を受けていただく場合がございます - 査定時に必要なものをご案内
参照元:セルカ「ご利用の流れ」
自宅の駐車場が一般的ですが、職場の駐車場や、近くのコインパーキングなどを指定できる業者もあります。
周囲の目が気になる場合やスペースが狭い場合には、こうした場所での査定を検討するとよいでしょう。
3.売却に必要な書類を用意する
車を売却する際には、以下の書類を準備しておきましょう。
- 車検証
- 自賠責保険証
- リサイクル券
- 印鑑登録証明書(発行から3ヶ月以内)
- 実印
- 納税証明書(普通自動車の場合)
※上記はあくまで一例です。必要書類は個人の状況によって異なる場合がありますので、事前にご確認のうえ、ご準備ください。
加えて、整備記録簿や保証書があれば、車が丁寧に管理されてきた証明となり、
査定額アップにつながる可能性があります。
これらを揃えておくことで、査定当日の手続きがスムーズに進みます。
4.出張査定と売買契約を行う
査定当日は、買取業者の査定士が車両を細かく確認します。
当日の基本的な流れは、以下の通りです。
- 査定士の身分確認
- 車両チェック(15〜30分)
- 使用状況のヒアリング
- 査定額提示と説明、価格交渉
提示された金額に納得できれば、その場で売買契約を結ぶことも可能です。
契約前には支払い条件やキャンセル条件などをよく確認し、不明点は必ず質問しましょう。
即決せず、納得できる説明が得られるまで慎重に進めることが大切です。
5.車を引き渡して入金を確認する
売買契約が成立したら、車の引き渡しと代金の支払いが行われます。
車を引き渡す前に、車内の私物が残っていないかをしっかり確認しましょう。
入金は通常、銀行振込で数日以内に行われますが、
契約書に記載された支払い方法や入金日を確認することが大切です。
現金手渡しの場合も、領収書を必ず受け取りましょう。
多くの買取業者は名義変更の手続きを代行しますが、
手続き完了後に新しい車検証のコピーや完了通知を送ってもらい、
確実に名義変更が済んだことを確認することが重要です。
名義変更が完了しないままだと、
自動車税の納税通知や、万が一の事故・違反時の責任が元の所有者に及ぶリスクがあります。
信頼できる車の出張買取業者の選び方

車の出張買取を安心して利用するためには、業者選びが重要です。
ここでは、信頼できる業者を見極める3つのポイントを解説します。
- JPUC加盟店であるかどうか
- 利用者の口コミや評価は良いか
- 自分の車と同じ車種の買取実績があるか
「安く買い叩かれた」「対応が雑だった」といったトラブルを避けるためにも、以下の点を押さえておきましょう。
JPUC加盟店であるかどうか
車の出張買取業者を選ぶ際は、
JPUC(一般社団法人日本自動車購入協会)に加盟しているかをチェックすると安心です。
団体に属しているかどうかは、
業者の公式サイトや店頭に掲載されているロゴマークなどから確認できます。
JPUCは、自動車買取業界の健全な運営や利用者の保護を目的にしており、加盟には厳しい審査があります。
加盟業者は、一定のルールやマナーを守ることが求められているため、信頼感につながります。
もし取引でトラブルが起きても、
団体の相談窓口「車売却消費者相談室」を利用して問題を相談できるため、
不安を感じる方には支えとなるでしょう。
利用者の口コミや評価は良いか
車の出張買取業者を選ぶ際、実際にサービスを利用した人の口コミや評価は大切な判断材料です。
接客態度や契約後の対応など、具体的な体験談から業者の実態を把握できます。
その際、星の数や点数だけでなく
「査定士の対応が丁寧だった」
「査定額の根拠をしっかり説明してくれた」
といった具体的なコメントに注目しましょう。
また、良い口コミだけでなく、
悪い口コミに書かれている内容とその業者の対応もあわせて確認することで、
より多角的にサービスの実態を判断できます。
自分の車と同じ車種の買取実績があるか
車の出張買取業者を選ぶときは、
自分の車と同じ車種やカテゴリーの買取実績があるかどうかをチェックしましょう。
実績がある業者は、その車の価値や特徴をよく理解しているため、納得できる査定額を出してくれる可能性が高くなります。
業者ごとに得意な車種は違います。
たとえば輸入車専門の業者なら外国車の価値をしっかり評価してくれるでしょう。
買取実績は、業者の公式サイトやSNS、店舗の掲示などで確認できます。
問い合わせの際に「私の車種の買取実績はありますか?」と直接聞くのもおすすめです。
車の出張買取で査定額アップを狙うコツ

車の出張買取を利用する際、少しの工夫で査定額をアップできる場合があります。
ここでは、査定額アップを狙うための具体的なコツを紹介します。
- 洗車や車内の掃除をしておく
- 純正オプションや付属品を揃える
- オークション形式で売却する
加えて、査定時には金額交渉が発生することもあるため、
他社の査定額や条件は伏せたうえで、まずは提示額を引き出すのがコツです。
情報の出し方一つで、最終的な売却価格が変わる可能性もあります。
洗車や車内の掃除をしておく
出張査定の前には、車の外装を洗い、内装をきれいに掃除しておくことが大切です。
必ずしも加点につながるわけではありませんが、清潔な車は「大切に扱われてきた」という印象を与え、
査定士の評価も上がりやすくなります。
とくにタバコやペットの臭いはマイナスになることがあるので、消臭も忘れずに行いましょう。
外装は洗車やワックス、ホイールの掃除をし、内装は掃除機がけや拭き掃除をしましょう。
こうした準備は、言葉にせずとも査定士によい印象を与える「静かな交渉」になるでしょう。
なお、車の査定でどのようなポイントが評価に影響するのかを詳しく知りたい方は、
以下の記事をぜひ参考にしてください。
査定士がチェックするリアルな査定項目について解説しています。
純正オプションや付属品を揃える
車の査定額を少しでも上げたいなら、
純正オプションや付属品をしっかり揃えておきましょう。
スペアキー、取扱説明書、整備記録簿などがあると、
「きちんと管理されてきた車」という印象を与えやすくなります。
一方で、純正ナビや本革シート、サンルーフなどのメーカーオプションは、
新車購入時にしか装着できないため希少性が高く、
装着済みであれば高く評価される傾向があります。
これらは後から揃えるものではありませんが、
査定時にはどのような純正オプションが装備されているかをしっかりと伝えることが重要です。
オークション形式で売却する
複数の買取業者に同時に見積もってもらう「オークション形式」は、
出張査定より高値がつきやすい方法のひとつです。
業者同士が競い合うことで、価格が引き上げられやすくなります。
たとえばセルカでは、8000社以上(※)が登録するオークションで競い合います。
やり取りは、セルカが一括して対応するため、複数業者との個別連絡に追われることなく、
スムーズに売却を進められるのが魅力です。
正当な金額を駆け引きなく知る事ができるため、
忙しい方や交渉が苦手な方でも利用しやすいでしょう。
※2025年6月末時点
車の出張買取のトラブルを避けるためのポイント

車の出張買取は便利なサービスですが、
残念ながら知識がない消費者を狙った悪質な業者とのトラブルも後を絶ちません。
安心して取引を進めるためには、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
- 出張費やレッカー代などの有無を確認する
- 売却ではその場で即決せず慎重に検討する
- 出張査定に必要なスペースを事前に確保する
- 契約前にキャンセル規約を確認する
出張費やレッカー代などの有無を確認する
出張査定無料とあっても、「対応エリア外なので交通費を」「不動車なのでレッカー代を」など、
何かと理由をつけて費用を請求されるケースがあります。
こうしたトラブルに遭遇しないためには、事前に別途発生する可能性のある費用の有無を確認しておくことが大切です。
- 遠方の交通費故障車のレッカー代
- キャンセル料
- 陸送費用
- 名義変更代行手数料
- ローン残債に関わる手数料
「出張査定に費用はかかるか」
「売買契約に至らなくても費用が発生しないか」など、
不明点は直接問い合わせましょう。また、口頭だけでなく書面で確認することも重要です。
売却ではその場で即決せず慎重に検討する
出張査定では、提示された金額をその場で決めず、複数の業者と比較することが大切です。
「今すぐ決めればこの価格」といった言葉に焦らされることもありますが、
その際に焦って契約すると後悔するかもしれません。
査定額の理由を確認し、できれば3社以上から見積もりを取りましょう。
中には後から減額を申し出てくるケース(二重査定・再査定減額)もあるため、
契約書に「査定で見つからなかった瑕疵(キズや故障)が引き渡し後に発見された場合、売主の責任で減額できる」といった趣旨の条項の記載がないか確認が必要です。
出張査定に必要なスペースを事前に確保する
査定士が車の周りをしっかり確認できるよう、最低でも乗用車1台分(幅2.5m×長さ5m程度)のスペースが必要です。
ただし、荷物の出し入れなどを考慮すると、もう少しゆとりを持たせた方が良いでしょう。
もし、狭い場所や障害物があると正確な査定が難しくなり、査定時間が長引く可能性があります。
駐車スペースが狭い場合は、近くの広い駐車場や勤務先を一時的に使いましょう。
予約時には駐車環境を業者に伝え、当日までに周囲の不要物を片付けておくとスムーズです。
契約前にキャンセル規約を確認する
車の出張買取は特定商取引法におけるクーリングオフの対象外です。
トラブルや費用を避けるため、契約前にキャンセル規約を必ず確認しましょう。
国民生活センターにも「強引に契約を迫られ、解約しようとしたら高額な違約金を請求された」といった相談が寄せられています。
トラブルを避けるため、契約前にキャンセル可能な期間や違約金の有無・金額などの規約を必ず書面で確認し、
少しでも納得できない点があれば絶対に署名・捺印をしないようにしましょう。
契約関連のトラブルに遭遇した際の対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。
万が一に備えて、事前に目を通しておくと安心です。