フォード マスタングコンバーチブルを高く買い取ってもらうコツ
フォード マスタングコンバーチブルの人気グレード
フォード マスタングコンバーチブルにはグレード分けがされていません。
マスタングコンバーチブルそのものがマスタングのラインナップのひとつであり、マスタングの最上位グレードでもあるからです。
日本に正規輸入されていたモデルでもっとも新しいものは2014年式で、5.0L V型8気筒エンジンエンジンを搭載したハイパフォーマンスな1台です。
カタログ上の正式名称は「V8 GTコンバーチブル プレミアム」で、全車左ハンドル仕様となっていました。
全長4,815mm×全幅1,880mm×全高1,415mmの車格を誇り、車両重量は1,740kgとほかのコンバーチブルと比較するとやや重たく仕上がっています。
これは乗車人数が一般的なコンバーチブルとは違い、乗車人数が4人とリアシートに人が乗り込める仕様であったことが関係しています。
もちろん同種の車でもっと車両重量がある個体も存在しますが、比較的重量のある部類いなることは間違いありません。
なお、トップ部分はソフトトップで、汚れや破れに気を付けなければならないこともあります。
また、欧米市場で存在する7代目マスタングコンバーチブルは、フォード日本法人が撤退してしまっている関係でしばらく正規輸入がない状態でした。
しかし、いくつかの窓口ができたことで日本でも7代目が販売されることとなり、現在では右ハンドル仕様のマスタングコンバーチブルを手に入れることができるようになっています。
フォード マスタングコンバーチブルの人気カラー
フォード マスタングコンバーチブルの人気カラーはブラック系とホワイト系の2色です。
どちらも高級車によく選ばれる色で、車そのものに高級感をプラスできることから非常に人気が高いボディカラーでもあります。
ほかの車との大きな違いはソフトトップとの色の組み合わせです。
ボディカラーでブラックを選択すると、トップ部分の色と合わさって全体が黒く重厚感あふれる見た目になります。
逆にホワイト系のボディカラーを選択すると、色の違いからボディがスタイリッシュに見えるという特徴が得られるのです。
いずれのボディカラーも黒のソフトトップとよくあうことから、年式の古い物から最新の個体まで幅広く選ばれています。
なお、ソフトトップ部分のカラーが違うものも存在しますが、これはオーナー自らが交換したものの可能性が高いです。
通常のラインナップではブラック一択しかありませんが、中古車市場に存在する個体の数台は色が異なるものもあります。
中古車市場では、高価な装備もしくは希少価値の高い社外部品でない限り、高額査定につながることはまずありません。
ソフトトップのカラー変更はしていない方が高額査定につながる可能性もあるでしょう。
交換してしまっている場合は無理に交換しようとはせず、そのまま査定に出すことをおすすめします。
交換費用が高額になり、買取価格の何割かを持って行ってしまう可能性もあるからです。
フォード マスタングコンバーチブルの人気オプション
フォード マスタングコンバーチブルの人気オプションは「シートヒーター」「シートエアコン」です。
オープンカーなのでエアコンよりもシートそのものを温めりシートヒーターに人気が集中しています。
新車購入時にしか装備できないオプションなので、市場価値は極めて高いといえるでしょう。
7代目マスタングコンバーチブルの場合は、これらのオプションに追加してAppleCarPlay対応のナビがついているとより高額での買取が期待できます。
AppleCarPlayは、手持ちのiPhone・iPadの操作をナビ上で行える機能。
iPhoneユーザーが多い日本とは非常に相性がよく、人気が高いのが特徴です。
また、ナビの中でも「カロッツェリア」といった有名メーカー製のものが装着されていると、比較的高価買取につながることもあります。
そのほか走行にかかわる部分では純正アルミホイールも人気があります。
フォード マスタングコンバーチブルの特徴
フォード マスタングコンバーチブルの概要
フォード マスタングコンバーチブルは、1964年の初代マスタングとともに登場し、現在も製造・販売が続けられている息の長い車です。
現行モデルは7代目にあたり、日本では2015年から販売されています。
エンジン型式は5.0L V型8気筒エンジンを搭載したモデルで、その走りはアメリカンマッスルらしい走りを味わうことができます。
出力は416psと高いのが特徴ですが、その力を生み出しているのが「コヨーテ」と呼ばれるユニットです。
高圧のデュアル・インジェクションシステムと低圧のポートインジェクションシステムをそれぞれ採用したことで、現在数が減りつつあるV型8気筒エンジンに環境性能を求めています。
7代目にはもうひとつ、排気量が半分以下の、2.3L 直列4気筒エンジンのモデルが採用されました。
「EcoBoost(エコブースト)」と名づけられたこのシステムは、当然ただのダウンサイジングではありません。
最高出力は300psを超えており、エンジンサウンドもV型8気筒エンジンと遜色ないチューニングがなされています。
力強さではどうしても劣ってしまいますが、どちらもマスタングらしい走りができるのは間違いありません。
駆動方式はいずれも後輪駆動のみですが、V型8気筒エンジンは6速MTが、EcoBoostには6速ATがトランスミッションとして採用されています。
オープンカー特有の課題であるボディ剛性も、フルオープン時でも低下しにくいのがマスタングコンバーチブルの特徴です。
特に7代目マスタングコンバーチブルは、歴代モデルの中で初めて独立懸架式のサスペンションを採用。
これにより高速走行時だけではなく、ワインディングでも安定した走行ができるようになりました。
排気量によってハンドリングに差が出ますが、大きな差はなく、しいて言えばEcoBoostのほうが良いと言われています。
エンジンが小さい分フロントが軽い構造になっているため、操作性がいいのが特徴です。
V型8気筒エンジンのほうは力強い走りはもちろんのこと、ブレンボ製6ピストンブレーキを搭載していることから、しっかりと止まるように設計されています。
同じ車で排気量こそ違うものの、どちらも走りを楽しみたいユーザーには魅力的な1台に仕上がっています。
フォード マスタングコンバーチブルの歴史
ベビーブーマー向けに開発された初代~2代目
フォード マスタングコンバーチブルは1964年に、標準型のマスタングとともに発表されました。
中型車のファルコンをベースに開発されているものの、ファルコンのようなスポーツカーコンセプトではなく、スポーツカーのような車として市場に投入されています。
背景には当時副社長であったリー・アイアコッカ氏が「(ベビーブーマーの)アメリカ人はスポーツカーのような車を好む」とする持論を掲げ、開発に踏み切ったことがあります。
標準装備は必要最低限に抑えつつ、排気量違いのモデルを複数展開するシステムを採用し、オプションを好きなように選択できる「フルチョイスシステム」が人気となり、爆発的大ヒットをアメリカで記録しました。
広告戦略の巧みさもあったものの、車を自分好みにカスタマイズできることから年齢を問わず、幅広い層に受け入れられています。
続く2代目マスタングコンバーチブルは1969年に発売され、こちらも一躍人気となりました。
この世代で「Mach1(マッハ1)」が発売されたことで、それまでダッジ・チャレンジャー、シボレー・カマロが位置づけられていたアメリカンマッスルに名が上がるほどになったのです。
また、2代目マスタングが映画『007 ダイヤモンドは永遠に』のボンドカーとして、『バニシングin60”』でエレノアに抜擢されたことから人気に火がつきました。
マスタングコンバーチブルはその恩恵を受け、人気があったことは言うまでもないでしょう。
ただ、発売当初は売り上げが好調だった2代目マスタングが第一次オイルショックの影響で販売台数が低迷。
2代目で大型化したことにより燃費性能が低下したことも手伝って、最終的には販売低迷で3代目へとバトンが受け継がれました。
小型化と改良が続いた3代目~5代目
2代目の最終的な販売台数低迷を受けて、1974年に登場したマスタングコンバーチブルはボディサイズが大幅に縮小されました。
また、販売当初はV型8気筒エンジンのラインナップはなく、全車直列4気筒エンジンとなりました。
続く4代目では、初代から開発を担当していたアイアコッカ氏が社長のヘンリー・フォード2世との対立でフォード社を去る前の最後の1台となります。
小型化は相変わらず継続していたものの、プラットフォームには新たにFOXプラットフォームが採用されました。
このことから4代目マスタングシリーズは「FOXマスタング」とも呼ばれています。
コンバーチブルは2代目の終売以降開発されていませんでしたが、1983年に10年ぶりの復活を遂げました。
その後生産された5代目でもコンバーチブルは生産され続け、標準モデルのマスタング同様高い人気を維持し続けました。
5代目マスタングコンバーチブルから日本への正規輸入が始まり、日本でもヒットを記録。
しかし、もともとオープンカーになじみがなかったことから、マスタングコンバーチブルよりも標準仕様のマスタングのほうに人気が集中していました。
この間にエンジンの改良も積極的に行われていましたが、V型8気筒エンジンの搭載を辞めることなく継続していたことは、のちのマスタングに大きな影響を与えたのです。
V型8気筒エンジンを守り続ける6代目~7代目
2004年に新たなプラットフォームを採用して登場した6代目マスタングコンバーチブルは、標準モデル同様初代を意識したデザインに大きく方針転換。
フォードの掲げる「リビングレジェンド戦略」は大きな話題となりました。
エンジンも刷新されたことで走行性能は格段に向上し、数々のモータースポーツに参戦もしています。
また、6代目マスタングはドリフト仕様としての評価が高く、フォーミュラDにも多くのマスタングがエントリーしました。
マスタングコンバーチブルは大きな話題こそ生まなかったものの、日本では少し注目を浴びた出来事がありました。
日本の自動車メーカーである光岡自動車が、6代目マスタングコンバーチブルをベースに「光岡・ガリューコンバーチブル」を製造・販売し始めたのです。
マイナーチェンジをしながら生産は続けられましたが、2016年に大きなトラブルが発生します。
フォード日本法人が、日本での業績不振を理由に撤退してしまったのです。
これにより以前から噂されていた右ハンドル仕様のマスタングコンバーチブルの正規輸入が幻となり、並行輸入でしか手に入らない時期も存在していました。
しかし、フォード日本法人の後継会社などが、並行輸入したモデルを日本の保安基準に適合するように変更する形で正規販売は継続されることが決定。
これにより7代目マスタングコンバーチブルから右ハンドル仕様も手に入るようになりました。
注目すべきはV型8気筒エンジンを初代から一貫して搭載し続けている点です。
オイルショックや環境問題への意識の高まりから、自動車メーカーのほとんどがV型8気筒エンジンを手放す中で、フォードは現在もV型8気筒エンジンの研究を重ねています。
それが証拠に7代目マスタングコンバーチブルに搭載された「コヨーテ」システムは、V型8気筒エンジンの課題である排気ガス問題を可能な限り抑えた革新的なエンジンとして話題になりました。
今後も引き続き搭載されるであろうV型8気筒エンジンの開発の動向から目が離せません。
フォード マスタングコンバーチブル買取相場の傾向
フォード マスタングコンバーチブルの買取相場はあまり高いとは言えない状況です。
マスタングコンバーチブルに限らない話ですが、一般的に日本ではオープンカー仕様の車は受けが悪い傾向にあります。
その理由は日本の気候の関係上あまり必要がない装備だからです。
もともとオープンカーは冬場のヨーロッパで、日光浴をする目的で可初された車です。
日照時間の少ない冬のヨーロッパでは、自動車にかかわらずさまざまなものに日光を多く取り入れる工夫がなされてきました。
車にそれが活かされたのがオープンカーという車両形状であり、ヨーロッパではスタンダードな車になったのです。
ところが日本の場合は冬場の日照時間が短いとはいえ日光浴にこと欠くほど晴れの日が少ないわけではないため、本来の目的で使用されることはありません。
しかし、その独特のスタイリングが車好きには好評となり、需要こそ少ないものの日本国内でも製造されるようになったのです。
とはいえオープンカーであることのメリットを感じにくい日本からすれば、ファッションとして車を乗る人以外にはあまり需要がないのが現実。
買取相場は2014年式の6代目マスタングコンバーチブルで150~180万円前後となっています。
もちろん走行距離が多ければ買取価格はかなり下がりますし、年式が古い個体に関しても同じことが言えるでしょう。
幸いフォードが日本法人を撤退した関係でフォード車全体が国内で手に入りにくいことから、コンスタントに供給されるコンバーチブルよりも高値で買い取ってもらえる機会は多いでしょう。
また、台数は少ないながらも7代目マスタングコンバーチブルも中古車市場に数台存在しており、買取価格は高いもので300万円を記録しています。
これは年式の新しさと希少価値のふたつが合致した結果でもあります。
逆に年式の古い5代目以前のマスタングコンバーチブルはそれほど高額にはならず、100万円を超えることはほとんどないといっていいでしょう。
マスタングコンバーチブルを高額で買い取ってもらうためには、ボディの綺麗さはもちろんのこと室内空間の綺麗さも大きく関係します。
特にシートの破れや汚れは、オープンカーであるために重視されます。
少し汚れているだけでも減額の対象になることが多いので、こまめに掃除するなどしましょう。
また、なかなか評価されにくい輸入車でもあるので、査定依頼は輸入車専門の中古車買取店に依頼するといいでしょう。
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