マツダ6もついに生産終了アナウンス! 縮小し続けるセダン市場はこの先どうなる? そして噂されていた後継車は?

マツダ6もついに生産終了アナウンス! 縮小し続けるセダン市場はこの先どうなる? そして噂されていた後継車は?

2024年3月13日

2024年1月、マツダのフラッグシップモデル「マツダ6」の国内向け販売および生産終了が発表されました。生産は24年4月中旬までを予定しており、オーダーがそれまでの予定生産台数に達した時点で販売終了となります。24年2月の時点では、もうすでに一部グレードについては受注が終了しているようです。

■セダン市場の現状

欧州Dセグメントに属するミドルサイズセダン/ステーションワゴンとして販売されてきた、国内メーカーでは貴重な車種がまたひとつ消えることとなります。古くはカペラがルーツとなるマツダ6ですが、海外では同名で販売されてきた一方で、日本国内ではアテンザの名で長らく販売されてきました。マツダ6への名称変更は、19年7月のマイナーチェンジ時に実施されています。

マツダ6がなくなることによって、マツダ3セダンがラインナップ中で唯一のセダンボディへ、ステーションワゴンに関しては完全にマツダのラインナップから消滅することとなりました。これで国内市場でのワゴンは、トヨタ カローラとスバル レヴォーグの2台のみ。国産ステーションワゴンは、まさに風前の灯火です。

ワゴンに比べればセダンはまだ生きているほうだといえます。国産車ではレクサスのLS/ES/IS、トヨタ センチュリー/クラウン/ミライ/カローラ、日産 スカイライン、ホンダ アコード(受注のみ。発売は24年春予定)、スバル WRX、マツダ3、ミツオカ リューギ、以上の12車が販売されています。このうち7車種がトヨタ(含むレクサス)車。もちろん販売台数もこれに比例していますので、国産セダン市場はトヨタの一人勝ち状態といえるでしょう。

リセール市場を見てみると、車種によっては高額で取引されている個体もありますが、セダン市場自体はそんなに盛況ではありません。これも今の時代では仕方がないことかもしれません。マツダ6は比較的高年式ということもあり、まだ現状は高値で取引されていますが、改名前のアテンザに関しては中古車相場平均が100万円前後と、かなり安価になってしまいます。セダン市場も盛り上がっているとは決していえない状況が続いています。

対して、輸入車に目を向けてみると日本国内で購入できるセダンだけでも30車種以上を数えます。なかでも昔からセダンをラインナップしているプレミアムブランドは、今も継続して販売されている車種が多く存在します。プレミアムセダン市場は、国産車に対する輸入車の割合が年々増えてきて、国産メーカーはかなり劣勢に立っている状態です。そんななかでのマツダ6の販売終了。国産セダンはこの先どうなるのでしょう?

■電動車では有利なセダンフォルム

ステーションワゴンは、クロスオーバーSUVに成り代わって衰退していきました。しかしセダンは代わりに当てはまる車種が、あまりありません。しいて挙げれば4ドアクーペや5ドアファストバックなどですが、その多くは市民権を得るにまで至っておりません。

セダンならではのメリットも忘れてはいけません。ミニバンやSUVに比べると前面投影面積が小さくできるため、空気抵抗が少なくできる点です。この点では、電動車でもBEV(電気自動車)やFCEV(燃料電池車)などでは有利になります。走行中にバッテリー容量をなるべく減らしたくないBEVでは特に有効で、実際BEV専門メーカーのテスラやBYDではセダンモデルをラインナップしています。この先電動化することはどのメーカーも既定路線ですので、ラインナップの電動車比率を上げるためにセダンのBEVやFCEVを販売するメーカーが増えると予想されるでしょう。

国産勢も、トヨタ、日産、ホンダはセダンのハイブリッド化を中心に電動化を進めてきました。現状トヨタのみとはなっていますが、FCEVの可能性もまだ残されています。輸入車勢から唯一遅れているともいえるセダンのBEV化は、30年までにBEVフルラインナップ化を宣言しているレクサスを筆頭に、これから徐々に進められるでしょう。どこよりも早くBEVを一般的に普及させた日産も、セダンのBEV化を考えているはずです。

■次期マツダ6は本当に出ないの?

電動化についてはマツダにも同じことがいえます。他メーカーに比べ全体的に電動化が遅れていますが、CX-60に初採用されたラージプラットフォームは将来の電動化に対応する新世代シャシーとして注目を浴びました。CX-60には、現在マイルドハイブリッドとPHEVがラインナップされています。じつは、このラージプラットフォームを使って次期マツダ6も開発されているのでは、と一時期噂になっていました。

しかし、その噂の次期モデルについての言及はされないまま、マツダ6販売終了のリリースでは「セダンはマツダ3が引き継ぐ」と明言されています。ルーチェ、センティア、カペラ、アテンザなど過去多くのセダンをリリースし続けてきたマツダに、ミドルサイズ以上のセダンがなくなってしまうことになりましたが、このリリースを鵜呑みにするにはあまり説得力がないとも思えてしまいます。それは、ここ最近のマツダの動向から見て予想できることでもあります。

まずは先ほど登場した、ラージプラットフォームの話です。今のところマツダはCX-60と今後登場する3列シートSUVのCX-80、そして北米モデルのCX-70と90の4車種にラージプラットフォームを採用しています。考えようによってはこの4車種でも十分採算が取れるのかもしれませんが、たった4車種のためだけにシャシーを一から新開発するでしょうか。それはあまりに考えにくいということです。

となると、ラージプラットフォームは当然ほかの車種にも展開するであろうと予想されます、ここ10年間のマツダのコンセプトカーをヒントにすると、15年のRX-VISION、17年のVISION COUPEと、駆動方式がFRであるかを誇示するかのような魅力的なスタイリングのコンセプトが登場しています。ラージプラットフォームもFRベースのシャシーですので、この共通点は偶然ではないと考えられます。マツダ6は、サイズ感も車格も、さらには車名も変わるがゆえの件のリリース発表だったとしたら……。想像は膨らむばかりです。

23年のジャパンモビリティショーでは、アイコニックSPという魅力的なロータリーハイブリッドスポーツカーのコンセプトも提案されました。この新しいロータリーエンジンは、水素を含めたさまざまな燃料に対応するロータリーユニットで、エンジン出力を発電に使うシリーズハイブリッド方式を採用しています。このパワートレインがほかの車種に使われることも、十分に考えられます。マツダ6後継のセダンモデルが、ロータリー搭載モデルになる。そんな可能性すら残されているのです。

マツダのこれからの商品戦略は、国産メーカーのなかでももっとも注目すべき存在のひとつ。スタイリッシュでスポーティなその商品傾向は今後も大きく変わることはないでしょう。先日のロードスター改良モデルでは、驚くほどの進化ぶりを存分に見せてくれたマツダです。クルマ好きが心から喜ぶような夢のような商品展開を、これからも続けてくれることを願うばかりです。

<文=青山朋弘 写真=マツダ>


この記事を書いた人

TomohiroAoyama

青山朋弘

新車専門誌、中古車専門誌、モータースポーツ誌などの編集部を経て、
現在はフリーランスの編集&ライター。
自動車専門誌やWebサイトに寄稿しながら、YouTube動画の撮影・編集も行う。
愛車は10年前に走行5万kmで見つけた、NA型ロードスターの初期型。
趣味のMTBをどうやって積むのがいいか、常に試行錯誤している。

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