ちょうどいい3列SUVのマツダ CX-8がついに生産終了! 後継モデルはスタンバイ中!? リセールも含めた今後の動向とは?

ちょうどいい3列SUVのマツダ CX-8がついに生産終了! 後継モデルはスタンバイ中!? リセールも含めた今後の動向とは?

2024年2月2日

マツダは2023年10月に、ミドルサイズ3列シートSUV「CX-8」の生産終了を発表し、同年12月で生産を終了しました。国産車・輸入車問わず人気のSUVというジャンルでもまだ少数派な3列シートSUVですが、近年では確実にシェアを拡大してきています。CX-8も人気のモデルでしたが、なぜ次期モデルへのモデルチェンジではなくモデルライフの終了という形をとったのでしょうか。

■販売台数的にはむしろ売れていたのに……

CX-8は、ミドルサイズSUVのCX-5と同じプラットフォームを持つFFベースのSUVとして、2017年に登場。以来、ミニバンがラインナップから消えてしまったマツダでは唯一の3列シート車として販売されてきました。

主要モデルのCX-5に比べれば少ないですが、販売台数も決して悪くはなく人気のあるモデルでした。生産終了を発表する直前の6ヶ月(23年4~9月)では、月平均の販売台数は1304台を記録しています(CX-5は2039台)。この台数は、同じ期間で1554台売れている最新モデルのCX-60と大差ありませんし、マツダ3(同1134台)やCX-30(同1167台)よりも多く売れていることになります。それだけ市場で受け入れられてきたSUVといえるでしょう。

これは、“3列シート仕様のSUV”という特殊な事情が要因だと考えられます。3列シート車は、多人数乗車ができることはもちろんですが、シートを収納してしまえば広大なラゲッジルームを作り出すこともできます。アウトドアブームの隆盛もCX-8の販売に貢献したでしょう。荷物の乗せられるSUVには需要があるということです。

需要がある理由にはもうひとつの要素も絡んでいます。それは、現在3列シートを備えたSUVはあまり多くないことです。いま日本市場で購入できるCX-8以外の3列シートSUVは、国産車ではトヨタ ランドクルーザー300と三菱 アウトランダーのみ。もし輸入車が選択肢に入るなら、CX-8とサイズ感の近いものですとメルセデス・ベンツ GLBやプジョー5008、ジープ コンパス、ランドローバー ディスカバリースポーツが選べますが、選択肢は決して多くありません。

■生産終了には後継モデルが関係

上記のなかでは、CX-8は新車価格がもっとも安価に設定されているクルマでもありました。そのあたりも人気の理由だったかもしれません。しかし、生産終了の報せは突然アナウンスされました。なぜCX-8のモデルライフは終わりを迎えることになったのでしょうか。それには、マツダの新しいラインナップ戦略が大きく関与しているのです。

マツダは22年6月に、新世代ラージ商品群の第1号としてCX-60を発表しました。使用された新開発の縦置きエンジンFRプラットフォームは、このCX-60を始めとして今後登場するミドル~ラージサイズのクルマにも採用されていきます。そしてこのラージ商品群の国内第2弾として登場するのが、CX-60の3列シートバージョンでもある「CX-80」。24年に発表予定となっているこのクルマこそが、CX-8の後継モデルとされているのです。

CX-80は、すでに北米市場で23年1月から販売されているCX-90のナローバージョンともいうべき存在です。CX-90は3列シートを装備したSUVですが、日本ではボディがワイドすぎるため北米を中心とした地域でのみ販売されています。日本市場に合わせてCX-60と同等の全幅にしているのが、日本で販売予定のCX-80ということです。

マツダの新世代ラージ商品群SUVはグローバルモデルとして展開するにあたり、北米市場と日本や欧州などその他の地域とでボディサイズを分けていることが特徴です。日本にはナローモデルにあたるCX-60と80、北米にはワイドボディのCX-70(24年1月発表)と90がそれぞれ販売されるとアナウンスされています。

今後登場するCX-80が、3列シートを備えたSUVとして登場するのは既定路線。現在のマツダの国内ラインナップでは最大のボディサイズとなるでしょう。このCX-80の登場を控えていたため、CX-8は生産を終えることになったようです。

■リセールがいいからこそ見極めを

ただCX-80は、現在販売されているCX-60を見てわかる通り、CX-8よりもボディサイズはひと回り大きくなることが予想されます。単純に後継モデルといわれても、サイズの違いは購入の障害になることが多々あります。今のCX-8のサイズ感がいいと思う人にとっては、なかなか購入に踏み切れないかもしれません。燃費のいいディーゼルが選べ、3列シートが備わり、なおかつ程よい大きさのSUV。このような条件を満たすクルマは、国産車では現状CX-8のみです。そういった背景もあってか、CX-8は中古車市場でも高額で取引されるケースの多いクルマとなっています。

実際CX-8はセルカでの買取実績も多いクルマで、高額買取実績も少なくありません。上の写真は実際にセルカでの買取実績の一つですが、2019年式のXD Lパッケージ 4WDで走行3万kmという条件でも、300万円の買取が成約しています。このケースで見ても、残価率は67.2%(新車価格は446万円)。4年落ちのクルマとしては驚くべき残価率です。これは一例ではありますが、ほかにも300万円を超える買取が散見されるところを見る限り、リセール条件はかなりいいクルマだといえます。

先述の販売台数でも少し触れましたが、現状CX-60は販売があまり芳しくありません。これは、さまざまなメディアで酷評されている乗り心地の悪さがその一因となっていることは間違いないでしょう。実際筆者も乗りましたが、ここ最近のSUVでは珍しいと思われるほどよくなかった印象です。業界内の人にも数多く聞きましたが、誰も乗り心地をいいと語る人はいなかったほどです。

続くCX-80が同じケースになるとは非常に考えにくいですが、こういった記事などを見て今のうちにCX-8を買っておこうと考える人もいるかもしれません。生産が終了したこの先、唯一無二のクルマとしてCX-8の市場価値は上がる傾向が予想されます。今現在乗られている人は、自分のCX-8の売りどきを見極めるために中古車相場などのチェックは小まめにすることをオススメします。

<文=青山朋弘 写真=マツダ/セルカ>


この記事を書いた人

TomohiroAoyama

青山朋弘

新車専門誌、中古車専門誌、モータースポーツ誌などの編集部を経て、
現在はフリーランスの編集&ライター。
自動車専門誌やWebサイトに寄稿しながら、YouTube動画の撮影・編集も行う。
愛車は10年前に走行5万kmで見つけた、NA型ロードスターの初期型。
趣味のMTBをどうやって積むのがいいか、常に試行錯誤している。

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