コンプリートカーってなんなの? 一般車の高額買取とここまで違う!? 高額買取車のリアル~スバル編~

コンプリートカーってなんなの? 一般車の高額買取とここまで違う!? 高額買取車のリアル~スバル編~

2023年11月30日

リセールの良いクルマとひと言でいっても、いろいろな種類があります。需要が供給数を上まわるというのは大前提にあるのですが、世の中には予想もできないような買取値がつくクルマも存在するのです。そんな世界をちょっとでも見てみたいと思うのが、クルマ好きのサガ。実際にどのくらいの残価率で取引されているかは気になる人も多いのではないでしょうか。

今回紹介する5台も、過去SellCaで実際に買取が行われた高額車両。その希少価値の高さや、慢性的な供給数不足から高価買取されたスバルのクルマにスポットを当てました。このクルマたちがなぜ高価買取されたのか、実際に買取されるリアルをご覧ください。

これから紹介するデータは、愛車買取オークションSellCaでの出品データからスバル車に対象を絞り、特に高額売却された実績について調査したものです。


調査機関:自社調査

調査日:2018年05月22日~2023年08月25日

調査対象:弊社で取引されたクルマのデータ350件(スバル車に絞って)

調査方法:自社保有データ分析 高額で落札されたもの、かつ新車価格を比較して残価率の高いものを上から5つ抽出(車種が同じもの、乗用車でないものは除く)


●レガシィ アウトバック

最初に紹介するのはクロスオーバーワゴンの旗艦車種、レガシィ アウトバックです。

こちらの個体は

グレード:X-ブレイク

年式:2019年

走行距離:17,357km

というデータです。

レガシィ アウトバック X-ブレイクの新車価格は340万円(オプション等除く)からでした。SellCaで実際に落札された価格は、なんと325万円。残価率は2年落ちで95%です。

いくらSUV系のリセールがいいといわれても、2年間ほぼタダ同然で乗れたというのには驚きです。しかも、スバルのフラッグシップクロスオーバーですから、ことのほか満足度は高いでしょう。グレードのXブレイクは、ラギッド感をさらにプラスした特別限定車。特にアウトドア志向の強いオーナーからの人気が高いクルマです。

この個体は先代モデルにあたりますが、買取の成約時期がちょうど現行型へのモデルチェンジ直後ということもあり、高額買取が実現しています。アウトバックは21年の10月に現行モデルへモデルチェンジしましたが、2年経った23年11月でも中古車市場の流通量が50台ほどしかなく、需要に対して供給量が非常に少なくなっています。

アウトバックの現行型相場の平均は、今でも400万円超え。そして、新車の納期遅延問題もあり、先代の高年式中古車が高騰しています。この新車の納期問題が解決しない限り、先代モデルの高騰化はしばらく続くでしょう。

(成約時期:2021年10月)

●フォレスター

次に紹介するのは人気のミドルサイズSUV、フォレスターです。

こちらの個体は

グレード:X-エディション

年式:2020年

走行距離:38,753km

というデータです。

フォレスター X-エディションの当時の新車価格は317万円(オプション等除く)からでした。SellCaで実際に落札された価格は、なんと303万円。残価率は2年落ちで95%です。

現行型5代目フォレスターの前期型に設定された、特別仕様車の買取実績例です。車検を1回も迎えていない高年式、4万kmの低走行距離、白のボディカラー、という条件だけでは、通常であればこの買取額にはおそらく届かなかったでしょう。これらに加えて大きなプラスとなったのが、新車の納期遅延問題です。

成約時期の2022年は、納期の長期化が大きな問題になっていたころでした。フォレスターもスバルの人気車ですので、その影響は受けています。そしてさらに、ちょうど成約時期と同じタイミングで一部改良モデルが発売されました。これらの条件が重なった結果の高価買取であるといえます。

Xエディションは、シートとラゲッジルームを撥水加工した特別仕様車でした。このような仕様は、アウトドア志向のユーザーや、サーフィンなどのマリンスポーツ、フィッシングなどを楽しむユーザーに重宝されます。アウトドアブームによる需要が期待できるという点も、高い残価率に影響しているでしょう。

(成約時期:2022年10月)

●レヴォーグ

次に紹介するのはスバル伝統のGTワゴン、レヴォーグです。

こちらの個体は

グレード:GT-H EX

年式:2021年

走行距離:5,682km

というデータです。

レヴォーグ GT-H EXの当時の新車価格は371万円(オプション等除く)からでした。SellCaで実際に落札された価格は、なんと350万円。残価率は1年落ちで94%です。

2代目レヴォーグは、先進安全性能とGT(グランドツーリング)性能を進化させ2020年10月に登場しました。今回の実績は、わずか1年落ちの個体ですので高額なことも理解できますが、94%という高い残価率はSUVやスポーツカー以外ではなかなかお目にかかれない買取例だといえます。

この個体の高額理由は、わずか5600kmの超低走行距離と、アイサイトXです。低走行は言わずもがな、アイサイトは最新版のXが装着されています。この最新版アイサイトは従来型から大幅に進化していて、ドライバーモニタリングシステムや、渋滞時のハンズオフアシストなどを新たに採用。その実力は世界トップクラスです。このADAS(先進安全運転支援システム)が購入理由になる人も多いでしょう。

レガシィが大型化し、ツーリングワゴンがラインナップから消えてからは、このレヴォーグがその後継モデルとして存在してきました。かつての速さとGT性能に加え、世界最高水準の安全性能までプラスしたレヴォーグは、今回のような好条件でなくてもリセールが期待できるクルマだといえます。

(成約時期:2022年7月)

●S207

次に紹介するのはSTIが誇るコンプリートカー、S207です。

こちらの個体は

グレード:S207

年式:2016年

走行距離:4,644km

というデータです。

S207の当時の新車での価格は599万円(オプション等除く)からでした。SellCaで実際に落札された価格は、なんと547万円。残価率は7年落ちで91%です。

スバルのモータースポーツ部門である、STI(スバルテクニカインターナショナル)が手がけたフルチューンコンプリートカーですから、通常のWRX STIとはまったく相場が異なります。この買取結果は当然だといえるでしょう。

コンプリートカーとは、そのチューニングブランドのパーツがほぼすべて装着されているクルマのこと。単品を1つ2つ付けることとは訳が違います。パーツを装着するだけでなく、そこからクルマ全体のバランスを取るために文字通りチューニングされていることも、コンプリートカーの大きな強み。並の市販車では考えられないような部品代と、労力が注がれているのです。

200番台のコンプリートカーシリーズで7番目のモデルが、このS207です。登場は2015年の10月28日。400台の限定生産分は、瞬く間に完売してしまいました。当時の価格は、599万4000円。ベースのWRXシリーズとはケタ違いの高額車であるにもかかわらず、この200シリーズはいつもすぐに売り切れてしまう大人気車なのです。リセールが高いのも当然ですし、需要も多い特別なスバル車だといえます。

この手のクルマになると、年式はあまり関係なくなってきます。流通台数が少なすぎて価値が上がってしまっている、国産車としては数少ない存在です。これからも高騰し続けると予想されます。

(成約時期:2023年1月)

●S206

最後に紹介するのも走行性能を突き詰めた特別な存在、インプレッサ S206です。

こちらの個体は

グレード:S206 NBR CHALLENGE PACKAGE

年式:2012年

走行距離:53,399km

というデータです。

S206 NBR CHALLENGE PACKAGEの当時の新車価格は593万円(オプション等除く)からでした。SellCaで実際に落札された価格は、なんと604万円。残価率は11年落ちで101%です。

正直、この金額でも安いのでは? とも思えるほど希少価値の高いクルマです。S206のNBRパッケージ。前述の通り、STIの200番台シリーズというだけでもマニア垂涎モノなのに、このクルマはそこからさらに2ステップくらい上の希少さを持っているといえるでしょう。

通常のS206に加え、カーボンルーフ、ドライカーボン製リアスポイラー、専用BBS製19インチホイールなどが備わります。NBRの名の通り、ドイツのニュルブルクリンク24時間レースでのクラス優勝を記念したモデルで、その優勝車両に近いモディファイが施されていることが最大の特徴です。通常のS206が限定台数200台に対し、NBRチャレンジはわずか100台のみの生産(合計で300台)。発売を知らせるプレスリリースが出たときにはもうすでに完売していたという、とんでもないモデルでした。

このようなクルマは、この先も価値が上がり続けるでしょう。持っているだけで価値のある、特別な存在だといえます。

(成約時期:2023年1月)

<文=青山朋弘 写真=スバル/SellCa>


この記事を書いた人

TomohiroAoyama

青山朋弘

新車専門誌、中古車専門誌、モータースポーツ誌などの編集部を経て、
現在はフリーランスの編集&ライター。
自動車専門誌やWebサイトに寄稿しながら、YouTube動画の撮影・編集も行う。
愛車は10年前に走行5万kmで見つけた、NA型ロードスターの初期型。
趣味のMTBをどうやって積むのがいいか、常に試行錯誤している。

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