BCNR33型GT-Rはグランドツーリング性能が高いGT-R
1995年に登場したBCNR33型スカイラインGT-Rは、9代目スカイラインに設定されたスポーツグレードであり、スカイラインGT-Rとして3代目にあたるモデルです。
BCNR33型スカイラインGT-Rは、先代のBNR32型スカイラインGT-Rよりもボディサイズを拡大し、車両重量が大きくなったものの、ニュルブルクリンクでのタイム計測にて21秒も速い7分59秒を記録。
この記録から「マイナス21秒のロマン」のキャッチコピーでデビューしました。今回は、BCNR33型スカイラインGT-Rの買取相場や高く売るためのコツをご紹介します。
BCNR33型GT-Rとは
BCNR33型スカイラインGT-Rは、1995年に9代目スカイライン(R33)のスポーツグレードとして登場しました。
型式の「BCNR33」から「R33(アールサンサン)」や「33(サンサン)」と呼ばれることもあります。
ボディサイズは、全長4,670mm、全幅1,780mm、全高1,360mmです。先代よりも全長が+130mm、全幅が+25mm、全高が+20mmサイズアップ。
ホイールベースは105mmも拡大されています。ボディサイズがアップし、ホイールベースが伸びたことで、リアシートの居住性と走行安定性は向上しました。
しかし、運転のしやすさやコーナリング性能は、ボディサイズやホイールベースの延長、車両重量の増加によって、先代の方が優れているといった評価をされることもあります。
さまざまな評価をされるBCNR33型スカイラインGT-Rは、スポーツ走行も長距離ドライブもできる万能なスポーツカーであると考えれば十分に価値があると言えるでしょう。
その証拠に、近年BCNR33型スカイラインGT-Rの買取相場が高騰しています。
BCNR33型の魅力が再評価されているだけでなく、海外からの需要もあるため、買取価格が高くなっているのです。
正常進化をしたメカニズム
搭載されるエンジンは、引き続き2.6L直列6気筒DOHCツインターボ”RB26DETT”を搭載。
過給圧を0.75kg/cm²から約0.84kg/cm²に上昇し、最高出力280ps、最大トルク37.5kgmを発生させます。
トランスミッションには、5速MTが組み合わされました。また、ブレーキにはブレンボ製ブレーキキャリパーを全車に標準装備しています。
電子制御の四輪操舵システム「Super HICAS(スーパーハイキャス)」は、油圧制御システムを簡素化し、応答性を向上させるために電動モーターを使った方式へ変更。
これまでの「Super HICAS」と区別するために「電動スーパーHICAS」と呼ばれました。
BCNR33型スカイラインGT-Rのバリエーション
BCNR33型スカイラインGT-Rのバリエーションは、7車種が展開されました。
標準仕様の「標準車」、アクティブLSDや「ATTESA E-TS PRO」を装着し足まわりに専用セッティングを施した「V-spec」、徹底的な軽量化を施した耐久選手権”N1″参戦用モデル「V-spec N1」、1996年のル・マン24時間レース参戦記念”チャンピオンブルー”を纏った「LMリミテッド」、スカイライン40周年を記念してオーテックが442台のみ販売した「スカイラインGT-Rオーテックバージョン 40th ANNIVERSARY」、NISMOが400psのエンジンを搭載して販売した「NISMO 400R」、ル・マン24時間レースのホモローゲーションモデルで1台のみが生産された「NISMO GT-R LM」です。
BCNR33型GT-R V-specは、”ドリフトキング”の名で知られる元レーシングドライバー土屋圭市氏が愛車として所有していたことでも知られています。
BCNR33型GT-Rの買取相場と実情
BCNR33型スカイラインGT-Rは、200万円前後~700万円前後が相場となっています。
買取価格に幅があるのは、車両の外装や内装、エンジンやトランスミッションなどメカニズムのコンディションにより、評価が変わるためです。
買取においては、年式よりも走行距離や修復歴の有無が重要視されています。また、チューニングやカスタマイズされた車両よりも、ノーマルの方が高い価格になる傾向です。しかし、チューニングやカスタマイズが施され、走行距離が不明または改ざんされた車両であっても、高値で買取されている事例もみられます。つまり、BCNR33型スカイラインGT-Rは、内外装の状態や動かすことができる状態に整備されているかどうかが高額買取のポイントということなのです。
また、限られた台数のみ販売された限定車やスポーツ性能を高めたグレードの場合は、希少性や運動性能が評価されるため、高い価格で買取されます。
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また、このようないわゆる「マニア」にうける車は一般の買取店や下取りよりも専門店に査定してもらうのが高額買取のコツです。
愛車買取りオークションのセルカは全国に6000社もの買取店と提携しています。
この6000店舗の中にはこういったマニアうけする車の販売が得意な店舗様も多いため、一般的な店舗では価値判断が難しく、値段がつけられないようなカスタム車などの特殊な車両でも高額での御売却が可能です。
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BCNR33型GT-Rを高く売るためには
通算9代目スカイラインのスポーツグレードであるBCNR33型GT-Rを高く売るためには、車両全体のコンディションを整えておくことが大切です。
ボディパネルの傷やサビ、塗装の褪せや剥げは、マイナスポイントとなるため、傷ついてしまったときには早めに修理をし、パネルがサビないようにしておきましょう。また、塗装の色褪せや剥げは、日常の洗車、ワックスやコーティングによって防ぐことができます。定期的な手入れを欠かさないようにしておきましょう。
インテリアは、内装パネルやダッシュボードの剥がれや割れ、シートの切れや汚れをなくしておくと高い評価となります。
年式相応の擦れや磨耗は防ぐのに限界がありますが、なるべく傷や劣化が進まないようカバーをしたり、手入れをしたりしておきましょう。エンジンやトランスミッションは、定期的にオイル交換やクラッチ板の交換をして、機械本体に負荷やダメージを与えないよう気を付けておくと買取時の評価も高くなります。
つまり、BCNR33型スカイラインGT-Rを高く売るためには、日常の手入れやメンテナンスが非常に大切なのです。
まとめ
スカイラインGT-Rの中でも、グランドツーリング性能に優れているBCNR33型は、日産の名エンジン”RB26DETT”を搭載し、ゆとりあるスポーツドライビングを楽しめるGT-Rです。
当初はボディサイズの拡大や車両重量の増加により、評価が低かったものの、現在ではゆとりある走行ができるスポーツモデルとして再評価されています。
改めて評価をされたBCNR33型スカイラインGT-Rの買取相場は高騰し、状態が良い車両は驚くような金額で買取されることもあるほどです。
さらに、海外からのバイヤーもBCNR33型スカイラインGT-Rを欲しがる傾向にあるため、今後も高い水準で買取相場が推移していくでしょう。