トヨタ ヤリスの買取相場の傾向は、年式が新しいことも手伝って高い水準で推移しています。
一時的に買取相場が大幅に下落した時期もありましたが、2022年9月現在は持ち直しており、190万円台の買取相場となっている状況です。
現在のところガソリンエンジンモデル、ハイブリッドモデルともに新車価格の3/4近くのリセールバリューを誇っているほか、ものによっては新車価格同然で買い取られているケースも存在します。
発売開始から日が浅く、年式・走行距離ともにそれほど爆発的に増えている車が登場していないため、しばらくは高額査定が期待できる時期が続くでしょう。
最初の車検の年にあたる登録3年目以降、徐々に市場価値は下落していくのではないかと言われています。

現在の中古車市場で分かることは、走行距離によるリセールバリューの違いです。
今のところヤリスの買取価格が大幅に下落するラインは、走行距離5～6万km以内と言われており、6万kmを超え出したあたりから買取価格が100万円を切るケースがちらほら見受けられるようになっています。
背景にはエンジンの消耗とハイブリッドシステムの劣化が関係しています。

まずエンジンの消耗に関しては、ヤリスに限った話ではありません。
走行距離がかさめばかさむほど、エンジン内部は負荷がかかり多少なりとも構成部品に異常が生じます。
一般的に5万kmを超えると中古車としても価値が付きにくくなることを考えると、ヤリスの買取価格下落も妥当なラインと言えそうです。
もうひとつのハイブリッドシステムの劣化は、リチウムイオンバッテリーの消耗が関係しています。
スマートフォンをイメージしてもらえばわかりますが、何度も充電を繰り返していれば、徐々にバッテリー残量の減りが早くなっていきます。
自動車の場合、運転中が充電期間でもあり、放電の期間でもある状態。
つまり、スマートフォンよりも頻繁に充放電を繰り返していることになります。
一概に比較はできないものの、リチウムイオンバッテリーには充放電の上限回数があり、それを上回るとバッテリーの消耗が徐々に激しくなっていきます。
そのため、ある程度の年式や走行距離を超えたハイブリッド車はリチウムイオンバッテリーの交換が必要になるのです。
しかし、このバッテリーが超高額であり、簡単に出せる金額ではありません。
そのため、中古車市場ではどこかしらに負荷がかかっているような長距離走行車よりも、寿命が長い比較的新しい車に高額査定が付けられるのです。
特にヤリスのような燃費性能の高さで人気を博している車にとっては大事なポイントでもあります。

トヨタ ヤリスの買取時の注意点ですが、販売開始から2年ほどしか経過していないため、未知数な部分も少なくありません。
あくまでも予測の域を出ないものの、考えられる注意点としては走行距離が真っ先にあがります。
ヴィッツの中古車市場における評価をそのままヤリスにも適用されると仮定した場合、おおよそ5～6万kmのラインが買取相場に影響を与えます。
ハイブリッドシステムの劣化が気になり出すタイミングであること、ヴィッツの買取価格の大幅下落がこのラインで始まっていることから考えられる結果です。
もちろん100%ヤリスにも当てはまるわけではありませんが、可能性もゼロではありません。
高額査定を狙うのであれば、少しでも早いタイミングで査定に出すのがベストです。

トヨタ ヤリスは2020年に発売を開始したコンパクトハッチバックです。
もともとはヴィッツの海外市場向けの名称でしたが、ヴィッツのフルモデルチェンジと同時に名称を変更した経緯があります。
本記事ではヴィッツとヤリスを別車種として扱っており、ヤリスへと名称変更されたあとのモデルの買取の傾向や高額買取のコツついて詳しく解説します。
海外で販売されていたヤリスは対象外とし、2020年以降に日本市場で販売を開始したものに限定して見ていきましょう。

トヨタ ヤリスの人気グレードは以下の5種類です。

ハイブリッドZ
ハイブリッドG
Z
ハイブリッドX
G

国内販売向けのヤリスには特別仕様車が追加されておらず、現状6種類でのグレード展開になっています。
エントリーグレードの「X」および「ハイブリッドX」は基本装備だけのシンプルな作りで、2022年に行われた仕様変更で「Bパッケージ」が廃止されました。
「Bパッケージ」は社用車としての利用を想定したグレードで、特にシンプルな装備だけとなっていました。
それを廃止し、エントリーグレードのラインナップを少なくした形です。
買取相場はガソリンモデルの「X」が100～120万円、ハイブリッドモデルの「ハイブリッドX」が130万円前後。
新車価格から考えると高いリセールですが、ほかのグレードと比べると人気は微妙なラインと言えるでしょう。

「Ｇ」の名がつくグレードは中間グレードに位置し、排気量は1.0Lと1.5Lの2種類から選択可能です。
下位グレードの「X」でも排気量の選択はできるものの、こちらになると人気オプションの3灯式LEDヘッドライトの装備ができません。
この差が人気の違いを生んでいます。
ガソリンモデルの「Ｇ」は130万円にやや届かない程度、ハイブリッドモデルの「ハイブリッドＧ」は150万円を超える買取価格を記録しています。
上位グレードの「Z」では、1.0Lモデルの選択が不可能になるものの人気が高いため高額査定の常連に。
ガソリンエンジンの「Ｚ」が150万円台、ハイブリッドシステム搭載の「ハイブリッドＺ」が160万円以上で買い取られています。

全体的にハイブリッドシステムを搭載したグレードに人気が集中しています。
トヨタと言えばプリウスのイメージがついている人も少なくないでしょうが、ヤリスも燃費性能に高い評価が下されている車です。
プリウスよりも小型で扱いやすいことから、幅広い年齢層に受け入れられることも高評価につながる理由と言えるでしょう。

ただし、どのモデルも発売から日が浅く、中古車市場に流通している台数は多いとは言えません。
今後3年落ち、5年落ちと年式を経るごとに徐々に中古車市場でも明確な人気の差が出てくるでしょう。
現在はまだ様子を見る段階にとどまりますが、おそらくは先代モデルに当たるヴィッツと同様の傾向になるのではないかと予測できます。
また、大幅なマイナーチェンジや仕様変更が今後起きないとも限らないため、売却を検討している人は今後の動向に注目しましょう。

トヨタ ヤリスの人気カラーは以下の3色です。

ホワイトパールクリスタルシャイン
シルバーメタリック
スーパーホワイトⅡ

特に人気の高い「ホワイトパールクリスタルシャイン」はヤリス全車種に設定されている有償色で、先代ヴィッツの頃から高い人気を獲得し続けています。
2位の「シルバーメタリック」も人気が高く、無難なボディカラーが上位に食い込む結果になりました。

なお、ヤリスには単色のボディカラーのほかにツートンカラーもラインナップされています。
一部のカラーにしか設定はないものの非常におしゃれで、若い世代を中心に人気を集めています。
ただし、そのカラーの関係上乗り手のステータスを選んでしまう傾向にあるので、上位3色を上回る人気が出るかはやや微妙です。

トヨタ ヤリスの人気オプションは「3灯式ヘッドライト」「ターンチルトシート」「コンフォートシートセット」の3種類です。
「ターンチルトシート」とは、運転席と助手席に搭載された新システム。
従来福祉車両に多く採用されていた回転するシートで、乗り降りが非常に楽になっています。
タイトスカートを履いた女性や足腰の弱っている高齢者には、非常にありがたい機能が、福祉車両ではない標準モデルのヤリスに実装されました。
また、Gグレード専用のオプションとして設定されている「コンフォートシートパッケージ」は、シートのあらゆる部分がランクアップ。
最上位グレードのZと比較しても遜色ないデザインに変更されます。
それでいて価格は5万円台とリーズナブルで、手軽に高級感あふれる室内空間を手に入れることはできるのです。

これら3種類のオプションは非常に人気が高く、新車購入時点でもよく選択されます。
もし、3種類のオプションがすべて装備されていれば、フルノーマルのヤリスよりも高額買取が期待できるでしょう。
ただし、今後の仕様変更やマイナーチェンジにともなって、別のオプションが人気を博す可能性もあります。
基本的には新機能が高く評価される傾向にあるため、今後の仕様変更などにもアンテナを張っておくようにしましょう。